【中山記念】ヴィクトワールピサ高速仕様12秒2!

[ 2011年2月24日 06:00 ]

M・デムーロ騎手を背にヴィクトワールピサは(左から)ロケットダイヴ、クリストフォルスと併せ追い切る

 貫禄の仕上げだ。中山記念の追い切りでヴィクトワールピサが抜群の存在感を示した。静に徹した内容ながらCWコース6F83秒7の好時計。ドバイ遠征へ向け、皐月賞、有馬記念を制すなど3戦3勝の中山で弾みをつける構えだ。

 手に残った感触が仕上がり具合を伝えていた。ヴィクトワールピサはCWコースで3頭併せ。2番手から内のクリストフォルス(6歳1000万)と併入し、外ロケットダイヴ(4歳1000万)を置き去りにした。時計は6F83秒7~1F12秒2。手綱を取ったデムーロの表情はいつもにも増して明るかった。

 「ベリーグッド。先週の時点では少し太かったのでハードにやったが、今週はもうそんなにやる必要はないからね。仕掛ければすぐに反応してくれそうだった。ノープロブレムだよ」

 ゴールを過ぎてもびっしりと追った先週とは違い、今週は手綱を持ったままだった。それでいて速い時計、スムーズな加速ができている。つまりは動ける態勢にあるということだ。清山助手はこう解説する。「今週は“静”に終始する形で。それで十分ということ。もう強い負荷の必要はないレベルまできているから。しっかりと能力を発揮できる状況」。初めて背負う58キロの重量も「馬格があるし大きくは影響しない」と言い切った。

 既にドバイWC(3月26日、メイダンAW2000メートル)に選出されている。今回は壮行戦になる。なぜこのレースを選んだのか。清山助手がその意図を明かした。「スピードを要求される距離だから。あえてここへ。流れの厳しいレースに使って遠征へ向けてのカンフル剤になれば」

 芝1800メートルに出走するのは新馬戦2着以来。昨年のダービー3着以降は全て2400メートル以上のレースに使ってきた。次に目指す舞台は世界トップクラスの集まる2000メートル。前半からハードな流れが予想される。折り合いが重視された昨秋とは違い、今春に求められるのはスピードだ。先行脚質の馬がそろってペースの上がりそうな今回はステップレースとして最適。デムーロは「彼はレースを知っている」と全幅の信頼を寄せている。レースセンス抜群、ましてや中山コースは3戦3勝だ。昨年とは違う春仕様の仕上げで、新たな一面を見せる。

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2011年2月24日のニュース