【有馬記念】ルメール“大ドンデン返し”の「お返し」を

[ 2009年12月24日 06:00 ]

追い切り後、状態を確認した池江泰郎調教師(右)とルメール騎手

 まさに因縁の一戦だ。フォゲッタブルに騎乗するルメールは、ハーツクライで05年有馬記念優勝。当時、無敗の3冠馬だったディープインパクトに初めて土をつけ“世紀の大ドンデン返し”を演出した。

 ディープを管理していたのが池江郎師。オーナーが金子真人氏、担当が市川明彦厩務員と、ディープの“化身”のように同じトリオのこの馬でGP2勝目に挑む。
 「ルメールから“お返しします”と言われた。最初は何のことか分からなかったけど、よく考えたら、そういうこと」と池江郎師。ディープに騎乗していた武豊が、ハーツを育てた橋口師のリーチザクラウンで出走してくるのも興味深い。また、祖母、母ともに有馬記念に2度出走して惜敗(ダイナカール=83年4着、84年7着、エアグルーヴ=97年3着、98年5着)しており、一族の雪辱が懸かる一戦でもある。

 <05年有馬記念VTR>無敗3冠を達成したディープインパクトが、初の古馬相手でも単勝1・3倍と断然の1番人気。タップダンスシチーが主導権を握る展開で、ディープはいつも通り後方からの競馬。だが、それまで追い込みを得意戦法としていたハーツクライは、1周目のスタンド前で4番手と先行策に出た。直線は内で粘るリンカーン、コスモバルクをねじ伏せて先頭へ。追い込んできたディープの追走を半馬身差で振り切った。直線の短い中山のコース形態に合わせた、ルメールの大胆な作戦変更がズバリと決まった。

続きを表示

2009年12月24日のニュース