【有馬記念】マツリダゴッホ有終Vへ「いい感じ」

[ 2009年12月24日 06:00 ]

ダートコースで追い切るマツリダゴッホ

 これが最後の追い切り。マツリダゴッホは美浦トレセンとの別れを惜しむかのように四肢に力を込めた。

 蛯名がまたがって坂路(4F67秒9)から南D(ダート)コースへ。単走だが、首をしなやかに上下させて、3角付近からグッと加速していく。外ラチ沿いを回って直線へ。四肢がしっかりと伸び、500キロ近い馬体をさらに大きく見せる。最後までゴッホらしく、パワフルに…。万感の時計は6F82秒4、1F12秒9を刻んでいた。
 「やればいくらでも動くタイプ。リズム良く走らせるために単走で。いい感じだった」と国枝師。蛯名も「調教は久々に乗ったが、いい雰囲気だ」と納得の表情を浮かべた。
 9番人気ながら直線でいち早く抜け出し、完勝した一昨年の有馬は、今もファンの脳裏に鮮やかに焼き付いている。「当時は絶好調だった。具合だけなら、どの馬にも負けないと思っていた」(蛯名)。昨年はジャパンCからの臨戦で目に見えない疲れを残し12着惨敗。そこで今年は一昨年と同じ天皇賞からのステップに戻した。「当時も天皇賞で大きく負けた(15着)ところから巻き返した。今年もいけるんじゃないかな」。主戦は天皇賞17着からの逆転を信じる。
 ゴッホが有馬を制してから、翌年秋華賞(ブラックエンブレム)まで関東馬はG1で12連敗を喫した。関東の低迷期に孤軍奮闘して美浦を支え続けたのがゴッホだった。「関東の期待を背負ってきた馬がラストを迎える。いい競馬をしたいね。3歳馬に勢いがあるが、年を重ねているからこそ、いい面が出ることもある。非常に楽しみにしている」。苦楽を共にした相棒に花道を飾らせたい。蛯名は静かに燃えている。(鈴木 正)

 <蛯名、最多勝タイ狙う>蛯名は有馬記念に過去12度参戦し、01年マンハッタンカフェ、07年マツリダゴッホで2勝を挙げている。今年3勝目なら岡部元騎手(シンボリルドルフ2勝、オグリキャップ)、田原元騎手(リードホーユー、トウカイテイオー、マヤノトップガン)、ペリエ(シンボリクリスエス2勝、ゼンノロブロイ)と並ぶ最多勝タイとなる。

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2009年12月24日のニュース