【天皇賞・秋】エイシンデピュティ活気!坂路で4F51秒2

[ 2009年10月30日 06:00 ]

エイシンデピュティは復活の手応えあり

 枠順が確定した天皇賞。木曜追いではエイシンデピュティが坂路で好タイムをマークした。脚部不安で休養期間は1年3カ月にも及んだが、最新の治療技術で復活。昨年の宝塚記念を逃げ切った底力は軽視できない。なお天皇賞の馬券はウインズ新橋、後楽園で午後2~7時に金曜発売される。

 活気が戻った。エイシンデピュティの木曜追いは気合十分の内容。坂路4F51秒2~1F12秒6は今週の1番時計タイ。騎乗したのは菊花賞Vの浜中だ。
 「先週より行きっぷりも脚さばきも良くなっています。パワーが凄い」
 調教には2週連続での騎乗。実戦は公営・大井の戸崎圭が手綱を取るが、陣営が「勉強になれば」と依頼した。若手のホープが右ステッキ1発と左ステッキ2発で闘魂を注入。馬もそれにしっかり応えた。想像以上の内容に野元師は笑顔いっぱい。「思ったより速かった。これで気合も乗ってくるし調教としては万全。あとは脚元さえ何ともなければ」
 昨年の有馬記念直前に回避。右前脚のけいじん帯炎を発症して休養に入った。再生を託したのが最新鋭の技術、PRP注入術だ。血液を採取、分離して有効な成分だけ患部に注入するというもの。担当・甲斐助手はその効果を実感している。「有馬記念を回避する前は追い切ると脚が腫れたり、ずっとモヤモヤしていた。今はその不安がない」
 再生を促す技術としてはカネヒキリの復活Vで話題になった“幹細胞移植”に近い。今回の手術のため、デピュティを担当する開業獣医が本邦初となる機器を輸入。前例がないということで農水省の認可がなかなか下りず、税関に1カ月あまり留め置かれるアクシデントもあったとか。ともあれ国内第1号の手術は成功。
 甲斐助手は仕上がりに胸を張る。「ほぼ100%の状態。後のことは考えず負荷を掛けた。乗り越えてくれたんで、後は悔いの残らない競馬を」と期待する。ズブくて追走に苦労するため、腕っぷしの強いジョッキーが合う。新パートナーの戸崎は南関東リーディングで首位を独走する剛腕だ。細かい癖は大井の先輩で、宝塚記念V時の鞍上・内田がすべて伝える手はずになっている。手は尽くした。劇的な復活も夢ではない。

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2009年10月30日のニュース