【天皇賞・秋】(10)シンゲン

[ 2009年10月30日 06:00 ]

 関東期待の上がり馬シンゲンが大物食い伝説の「10番」を引き当てた。

 29日午後2時。決定したばかりの天皇賞の枠順を見て、シンゲンの斎藤吉則助手は納得の表情を浮かべた。「10番。最高の枠だ。真ん中が欲しかった。ちょうどいい」
 もともとゲートに難があるタイプではないが、後からゲートインできる分、奇数より偶数番がいいことは確か。周囲を見ながら進められるので、真ん中の枠は騎手も乗りやすい。すぐに携帯電話で戸田師に報告。「いいんじゃないか」。指揮官からも力強い言葉が出た。好調ムードに加え、枠も味方。悲願の天下獲りへ、また一歩近づいた。
 天皇賞・秋の馬番「10」は何かを起こす枠だ。91年プレクラスニーはメジロマックイーンの1位入線→18着降着で、あっと驚く盾制覇。94年ネーハイシーザーはビワハヤヒデ(レース中に故障5着)に人気が集中する中、2番手から抜け出して初G1を手にした。01年アグネスデジタルは重馬場で、2強テイエムオペラオー、メイショウドトウを外から差し切る強い競馬で頂点を極めた。3頭がねじ伏せた1番人気馬はマックイーン(単勝1・9倍)、ハヤヒデ(1・5倍)、オペラオー(2・1倍)。勝つ時は超大物を倒して…というのが10番ゼッケンの歴史だ。今年も単勝1倍台がありうるウオッカという超大物が控える。ゼッケン「10」の神話がよみがえる舞台装置は整っている。

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2009年10月30日のニュース