【ラジオNIKKEI賞】エルフ最強の1勝馬卒業だ

[ 2009年7月2日 06:00 ]

<ラジオNIKKEI賞追い切り>マイネルエルフ(左)は併せ馬で4馬身追走を併入に持ち込んだ

 福島のメーン、3歳ハンデ重賞「ラジオNIKKEI賞」の追い切りが1日、美浦、栗東トレセンで行われた。1勝馬ながらニュージーランドT、NHKマイルCで4着に踏ん張ったマイネルエルフがWコースで小気味よい動き。念願の初重賞に向けて好仕上がりを見せつけた。

 マイネルエルフの最終追いのパートナーにはダイワマックワン(4歳1000万)が用意された。先週はスクリーンヒーローの相手も務めた、鹿戸雄厩舎の調教大将。その馬を相手に4馬身も追走した。序盤は首を上げ気味だったが、3コーナーで落ち着く。4コーナーではインへ。かなり追いかけた分、さすがに少々手は動いたが、調教駆けする僚馬と併入に持ち込んだ。ラスト12秒8は水分をたっぷり含んだ馬場を考慮すれば上々。見た目以上にハードな追い切りをしっかりこなした。
 騎乗した水出(レースは松岡)は「もう少しスッと動いてほしかったが、相手も調教で動く馬だから仕方ない。乗りやすい馬だし、力はある。先週より動きは良くなっているし、あとは折り合い次第だろう」と語った。スクリーンヒーローの最終追いなども任される仕上げ人は、まずまずの感触をつかんでいる。
 春はG2、G1でともに4着。ニュージーランドTでは勝ったサンカルロに食らいつき、NHKマイルCでもゴール前での追い上げは目を引いた。相手なりに走るタイプで、まだ1勝馬にすぎないが、現3歳世代の1勝馬では最も本賞金を稼ぎ出している。いわば「最強の1勝馬」だ。
 だが、この称号は決して皮肉ではなく、将来の活躍を暗示するものでもある。近年、最強の1勝馬といえばシックスセンス、タケミカヅチ、ローレルゲレイロあたりが思い浮かぶが、この3頭すべてがありがたくない称号を得た後に2勝目を重賞勝ちでマークしている。「この中間、短期放牧でリフレッシュした。スムーズに折り合えれば楽しみ」(黒岩助手)。マイネルエルフも先輩馬同様、重賞で2勝目をゲットし、秋の飛躍へのステップとしたいところだ。

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2009年7月2日のニュース