坂本龍一さん最期の日々を記した著書刊行 死生観や音楽への思いもつづる

[ 2023年6月20日 05:00 ]

坂本龍一さん
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 3月28日に71歳で死去した音楽家の坂本龍一さんは、亡くなる直前までパソコンやスマートフォンなどに日記を書き残していた。21日刊行の坂本さんの著書「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」(新潮社)では死生観や音楽への思いをつづった日記の一部とともに、病院での最期の日々が紹介されている。

 「かつては、人が生まれると周りの人は笑い、人が死ぬと周りの人は泣いたものだ。未来にはますます命と存在が軽んじられるだろう。命はますます操作の対象となろう。そんな世界を見ずに死ぬのは幸せなことだ」(2021年5月12日)

 同年1月、直腸がんの手術を受けた坂本さん。同書によると、がんは肝臓などにも転移し、手術は20時間に及んだ。

 今年1月に「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」で活動を共にした高橋幸宏さんが死去。2月18日の日記には「NHKの幸宏の録画見る/ちぇ、Rydeenが悲しい曲に聴こえちゃうじゃないかよ!」とつづり、死を惜しんだ。

 坂本さんのこの十数年を聞き書きの形でまとめた文芸誌「新潮」の連載をもとにした同書。坂本さんは3月19日に自宅で食事をして就寝後、真夜中に気胸で病院に救急搬送された。肺の状態は悪く、緩和ケアに移ったのは25日のこと。医師と握手して礼を述べ「もうここまでにしていただきたいので、お願いします」と語ったという。

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