坂本龍一さん 民族音楽、オペラ、シンセサイザー… 生活音まで音楽だった 71歳、がん闘病力尽く

[ 2023年4月2日 21:28 ]

最新のデジタル機器が並ぶスタジオで、地雷廃絶への思いを語った作曲家・坂本龍一さん
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 「世界のサカモト」と評された音楽家の坂本龍一(さかもと・りゅういち)さんが死去したことが2日、分かった。71歳。東京都出身。

 世界的な作曲家として知られた坂本さんは、既成概念にとらわれないジャンルレスな楽曲が愛された。クラシック音楽を軸としながら、ロックやジャズ、テクノ、民族音楽などさまざまな音楽性を取り入れ、独自の世界を作り上げていった。

 3歳でピアノを習い始め、幼稚園時につくった「うさぎのうた」が最初の作曲。10歳の時には本格的に作曲を学び始めた。高校時代にはジャズやロックにも触れるようになった。1970年に東京芸大音楽学部作曲科に入学すると、民族音楽学の講義に衝撃を受け、その後の作曲活動に影響を与えた。また、テクノポップにつながる電子音楽に出合ったのも大学時代だった。

 こうした背景もあり、坂本さんの音楽はバラエティーに富んでおり、かつ独自性に満ちていた。YMOのテクノ、ニュー・ウェイブから、ブラックミュージックやボサノバなど世界の音楽、オペラの作曲も行った。新しい物をすぐに取り入れる柔軟性もあり、その最たる例がシンセサイザーとコンピューターを駆使したYMOの音楽だった。95年には「WINDOWS95」発売記念でパソコンを使って演奏。晩年も工事の音や、駅の音など街角で面白い音を録音し続ける。いつアイデアが降ってくるか分からないと、枕元にノートを用意していた。生活の中で耳にする音すべてが、音楽作りへのヒントだった。

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