ウエストランド、M―1王者!毒舌漫才で圧勝 タイタン初快挙「阿佐谷の歓喜」 松本人志は「夢感じた」

[ 2022年12月19日 05:13 ]

M-1王者となったウエストランドの井口浩之(左)と河本太
Photo By スポニチ

 漫才日本一決定戦「M―1グランプリ2022」の決勝が18日、東京・六本木のテレビ朝日で行われ、結成15年目の「ウエストランド」が優勝した。史上最多7261組の頂点に立ち、賞金1000万円を獲得。爆笑問題らが所属する「タイタン」から初めてM―1王者が誕生した。

 井口浩之(39)は笑顔で両手を高く突き上げ、河本太(38)は静かに涙。対照的な王者の表情だった。井口は「自分の人生ですが、初めて主役になれた気がしました」と喜んだ。2年ぶり2回目の決勝の舞台で、持ち味の毒舌漫才を貫いた。しかもファーストステージ、最終決戦ともに全く同じ展開のネタで勝負した。

 井口の吐く毒に7人の審査員の笑いが止まらなかった。「M―1にあってR―1にないものは?」という問いかけに、「夢!希望!大会の価値!大会の規模!」とたたみかけ「M―1は決勝行くと人生が変わるけど、R―1は何も変わらない!」。ファーストステージは、さや香、ロングコートダディに次ぐ3位で突破したが、最終決戦は6票を獲得する圧勝劇だった。

 審査員の松本人志(59)は「窮屈な時代ですけど、キャラとテクニックがあれば毒舌漫才も受け入れられると夢を感じました」と評価。井口は「M―1チャンピオンになる人生とは思ってなかったので意外。一番うれしいのは、もうM―1に挑戦しなくていいこと。本当に大変なんで」とスッキリした表情。「(9位だった)2年前のリベンジは果たせた」と胸を張った。

 2人は岡山県津山市の中学、高校の同級生。ステージ上のしゃべり、仕事量ともにほぼ井口と河本で9対1だが、今もギャラは折半のまま。賞金1000万円の分け方や使い道が注目される。井口は「マッサージとかに使いたい」と体のケアに、河本は「娘の学資保険を崩してしまったので穴埋めしたい」と現実的だった。爆笑問題の太田光(57)からは「審査員ではなくお客さんに集中しろ」と言われたといい「ネタを見て“いい”と言ってくれたので決勝にぶつけた」と明かし感謝した。

 今後は王者として世の中の注目を浴びるが、井口は「芸風を変えることはない。爆笑問題さんが新ネタをやり続けてるので、我々もやるしかない」。毒を吐き続けるスタンスは変えない。

 ◇ウエストランド 2008年11月結成。井口の母親と河本の父親も同級生。コンビ名は故郷のショッピングセンターにちなんだ。

 ◇井口 浩之(いぐち・ひろゆき)1983年(昭58)5月6日生まれ、岡山県津山市出身の39歳。趣味はサッカー観戦。特技は鼻を曲げられる。愚痴を言う。

 ◇河本 太(こうもと・ふとし)1984年(昭59)1月25日生まれ、岡山県津山市出身の38歳。趣味はキャンプ。19年「第1回サウナ温め選手権 日本大会」で優勝。

 ≪太田光代社長歓喜「本当にうれしい」≫タイタンの太田光代社長(58)はスポニチ本紙の取材に「うれしいです。本当にうれしいです」と歓喜した。同社からはキュウも出場しており、太田光は今月初めに「優勝を勝ち獲って、ぜひ(事務所がある)阿佐谷の歓喜となれば」とサッカーW杯にちなんでエールを送っていた。一方、決勝でネタにされたテレビプロデューサーの佐久間宣行氏もツイッターに「ウエストランド!!!!!!」と感嘆符を6つ続けて祝福した。

続きを表示

この記事のフォト

2022年12月19日のニュース