【芸人 イチオシ】カミナリが地元・茨城で“雷に打たれる”ワケ 来月4日、ツアー千秋楽へ戦々恐々

[ 2022年8月13日 09:00 ]

初の全国単独ライブツアー中の「カミナリ」
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 【芸人 イチオシ】茨城弁のドツキ漫才が持ち味の「カミナリ」は、茨城県鉾田市出身で幼なじみの石田たくみ(34)と竹内まなぶ(33)によるコンビ。もちろんイチオシは「地元・茨城」だが、実はそれが“鬼門”となっている。

 現在開催中の全国単独ライブツアー「心電図」は9月4日の茨城公演で千秋楽を迎えるが、たくみは「営業でもイベントでもやりにくいんですよ。やばいです」と戦々恐々としている。

 カミナリは、なぜかホームである茨城で一番ウケない。可愛い子には旅をさせろ理論なのか、獅子は我が子を千尋の谷に突き落とすという気持ちなのか、客のジャッジが厳しすぎるようだ。夏場の営業では漫才中に氷まで飛んできたことがあるという。たくみは「メチャクチャ暑かったんですかね」と言うが、本人たちが背筋の凍るような思いをしたことだけは間違いない。

 ところが、北関東でライバル関係にある栃木県では、カミナリがバカウケするから不思議だ。「ごめんね、ごめんね~」のフレーズで知られる栃木出身のU字工事に聞いてみると、同じく逆転現象が起きていた。彼らも地元・栃木ではあまりウケず、茨城だと爆笑のオンパレードという。たくみは「隣りの県でウケがいいのは、親類の子が遊びにきたという感覚なんですかね」。確かに“おらが街のスター”を我が子と考えた時に、県外で恥をかかないように厳しい目で見ている可能性はある。

 カミナリをよく知る放送作家は「ご当地なまりは、他の地域の人間にとっては珍しく、それだけで面白いけど、地元の人にとっては日常的に使っている言葉。それで笑いのハードルがさらに上がるのでは」と分析。これも一理ありそうだ。

 ただ、ウケなかったことで2人はデビュー4年目にして最強の武器も手に入れた。2014年に開催した茨城のライブでは、クスリともしない客席の反応に嫌な汗がじんわり。半ばやけくそで、たくみがまなぶの頭をバンバン叩いたところ、打ち出の小づちのように叩けば叩くほど爆笑の連続。「そういえばオメエ○○だなあ!」とドツキツッコミのスタイルを開眼した。16、17年にはM―1グランプリ決勝に進出してブレーク。地元・茨城さまさまだ。

 客の愛のムチVSドツキ漫才。まなぶは「茨城はきっかけをくれた場所。今回の千秋楽でも、何か起きたらいいな。新しいものが生まれたらな」と他力本願での盛り上がりを期待する。スベるか、爆笑か。カミナリの“極上の茨城愛”が届くことを祈るばかりだ。

 ◇カミナリ 2011年結成。16年、17年にM―1グランプリ決勝進出。
 竹内 まなぶ(たけうち・まなぶ)1988年(昭63)9月16日生まれ、茨城県鉾田市出身の33歳。ボケ担当。趣味は鹿島アントラーズを応援すること。特技は利きツッコミ。血液型O。
 石田 たくみ(いしだ・たくみ)1988年(昭63)7月6日生まれ、茨城県鉾田市出身の34歳。ツッコミ担当。趣味は映画観賞、お酒。特技はバスケットボール。血液型B。

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