NHK異例の試み ドラマ脚本開発「WDRプロジェクト」応募2025件「鎌倉殿」神回演出・保坂Dも驚き

[ 2022年8月3日 12:30 ]

世界を席巻するドラマを作る!「脚本開発チーム WDRプロジェクト」のロゴ(C)NHK
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 世界を席巻するドラマを制作するため、NHKが新たに立ち上げた脚本開発に特化したチーム「WDRプロジェクト」への応募総数が、予想以上の2025件を数えた。3日、公式サイトで発表された。プロジェクトは6月1日に発表、7月末に応募締切。最終選抜メンバーは10月下旬に発表される。

 プロジェクトの代表は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)の演出の1人、保坂慶太監督。「プロジェクトの告知をして、わずか2カ月。初めての試みということもあり、どれくらいの応募があるか未知数でしたが、想像をはるかに上回る数となりました。WDRの趣旨に賛同し、名乗りを上げて下さった『仲間』がこれだけいることに、とても勇気づけられました。時間を捻出して課題脚本と向き合ってくださったことを、事務局一同、心から感謝しております。審査は既に始まっています。どんなメンバーが選抜され、どんな物語が生まれるのか、どうぞお楽しみに!」とコメント、驚きと感謝を明かした。

 プロジェクト名の「WDR」は「Writers’Development Room」の略。海外のシステムも採り入れた従来とは異なるスキームに挑戦。脚本開発チームのメンバーを公募するのは、日本のテレビ業界としては異例の試みとなる。従来のシナリオ賞やシナリオ公募とは一線を画した「人材発掘」が狙い。

 今回は最大10人のメンバーを選抜。それぞれが自分の企画として「パイロット脚本(シリーズドラマの第1話)」を執筆。さらに、構想段階から他のメンバーと物語の内容を共有し「ブレスト会議」にも参加。お互いにアイデアを出し合う。

 海外のシリーズドラマ制作は、複数の脚本家が「ライターズルーム」という場に集い、共同執筆することが一般的。今回のブレスト会議は、海外のライターズルームの役割を担う。2019年、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に留学し、シリーズドラマの脚本執筆コースを履修・修了した保坂監督ならではのチーム作りとなる。

 例えば、構成が得意な人と台詞が得意な人のコラボレーションが可能。展開に行き詰った時、仲間と一緒に悩み、考えられる。「才能の掛け算」により、物語の完成度を高める。

 執筆された脚本は、NHK局内の提案会議でプレゼンテーション。企画が採用され、放送が決定した際には、発案者のメンバーを中心に第2話以降の脚本を練っていく。

 保坂監督は07年にNHK入局。大河ドラマ「真田丸」、連続テレビ小説「まんぷく」、よるドラ「だから私は推しました」などに参加。「鎌倉殿の13人」は“神回”と大反響を呼んだ第15話「足固めの儀式」(4月17日)、第20話「帰ってきた義経」(5月22日)などを演出した。

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2022年8月3日のニュース