堀江謙一氏が帰港セレモニー 世界最高齢での単独無寄港太平洋横断成功で「青春まっただ中」

[ 2022年6月5日 17:10 ]

帰港セレモニーで会見した堀江謙一氏(撮影・井垣 忠夫) 
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 世界最高齢での単独無寄港太平洋横断を成功させた海洋冒険家の堀江謙一さん(83)が5日、拠点にしている兵庫・新西宮ヨットハーバーから上陸し、帰港セレモニーと記者会見を行った。

 午後1時過ぎ。堀江さんが乗った白いヨットが港に到着すると、待ち構えた約1000人から大きな拍手がわき起こった。しっかりした足取りで陸を踏みしめた堀江さんは「皆さん、お待たせしました」と第一声。

 「(航海の)69日間、僕が使った薬は目薬とバンドエイドだけ」と笑わせ「いかに僕が健康体か。僕自身は青春まっただ中。“あしたのジョー”が完全燃焼を目指したように僕自身も精神と肉体の完全燃焼を成し遂げたと確信しております」と力強く話した。世界最高齢での偉業にも「若輩ではございますがこれからも大器晩成を目指して頑張ります」とおどけ、真っ黒に日焼けした顔をくしゃくしゃにさせた。

 航海中の苦労よりコロナ禍での準備が大変だった。「燃料がとんでもなく値上がりしたり、薄氷を踏む思いだった。いろんな方が協力してくれて、僕は人徳があるわけじゃないんですけど…。これは謙遜ですよ(笑)。困難の中うまくいきすぎた」と周囲の協力に感謝。ただ、この日のセレモニーで差し出されたミネラルウオーターが不満だったのか「以前はキンギンに冷えたビールを用意してくれていたんですけど」と笑わせた。

 航海中は毎日のように衛星電話で家族や友人と連絡を取った。「阪神タイガースの連敗は話題になってまして。地元なんで、粘り強いところを見せてほしい」と苦笑い。今後については「生涯チャレンジャーでいたい」と貪欲だったが、具体的な航海については「家族はそんなに甘くないです」と、意外なハードルの存在を明かした。

 堀江さんは1962年、23歳で世界初のヨットによる単独無寄港太平洋横断を達成。今回も当時とほぼ同じ寸法の「サントリーマーメイド3号」(全長約6メートル、重さ約1トン)に乗り込み、逆のルートをたどった。3月27日、米・サンフランシスコを出航し4日未明、設定していたゴール、和歌山県の日ノ御埼と徳島県の伊島を結ぶ紀伊水道上のラインに到着。航行距離は約8500キロだった。

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2022年6月5日のニュース