弁護士・野村修也氏 知床観光船事故、JCIの検査など「国のチェックが甘かったことは明らか」

[ 2022年5月8日 07:59 ]

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 弁護士の野村修也氏が8日、テレビ朝日系「サンデーLIVE!!」(日曜前5・50)に出演。北海道・知床半島沖の観光船「KAZU 1(カズワン)」沈没事故について言及した。

 番組では、国土交通省が運航会社「知床遊覧船」に対し、最も厳格で過去に例のない事業許可取り消しも視野に処分を検討していることを伝えた後、運航の安全性を保つための国のチェック体制も甘かったことを指摘し、知床遊覧船の安全管理の不備が次々に判明したことで、監査や船体検査の実効性が問われているとした。

 野村氏は「今回の事故というのは、なんといっても(運航)会社の責任、これが非常に重いと思いますけども、国のチェックが甘かったことはもう明らかだと思うんですよね」と指摘。

 その上で「安全管理がちゃんとできているかどうかということについては、事前に通告して監査をするという仕組みですけど、これではその日だけきれいにしておくということができてしまうという状況。バスツアーで事故が起こった後、バス事業者については抜き打ち検査を実施してますので、そういったことをちゃんとやる必要があるかなと思います。さらに装備についても、携帯電話に切り替えるということに対して安易に受け入れてしまっていた部分が明確になっていますので、これらを改正する必要があると思う」とし、「さらに言えば、例えば安全管理規定というものがどうなっているのかってことは、われわれ一般の消費者には分かりません。ですから、せめてホームページなどにそれをきちっと掲載させて、利用者の側もチェックできるような態勢を整えていくことが必要だと思う」と自身の考えを述べた。

 観光船事故3日前の4月20日の船舶検査では、知床遊覧船は通信手段を衛星電話から携帯電話に変更するよう申告し、国の検査を代行する日本小型船舶検査機構(JCI)が変更を認めた経緯がある。しかし、この携帯電話は航路の大半で通信エリア外だった。また、「知床遊覧船」の桂田精一社長は船長や甲板員などの経験がなく、海上運送法の施行規則で定められた「運航管理者」の要件を満たしていなかった可能性があるものの、運輸局は問題としていなかった。

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2022年5月8日のニュース