舛添要一氏 ロシアとウクライナの戦闘長期化を懸念「下手すると10年」

[ 2022年3月6日 16:17 ]

舛添要一氏
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 前東京都知事で国際政治学者の舛添要一氏(73)が6日、ABEMA「ABEMA的ニュースショー」(日曜正午)にリモートで生出演し、ロシアによるウクライナの軍事侵攻における妥協点について悲観的な見方を示した。

 MCの千原ジュニアから「落としどころどうなるんでしょう?」と問われると、「落としどころはありません」はバッサリ。出演陣から「えー!?」と悲鳴が上がった。

 北大西洋条約機構(NATO)加盟を希望するウクライナと、強硬に反発するロシアという対立構図で、舛添氏は「プーチンはこれはもう、彼の政治目標ですから、絶対NATOをこれ以上拡大させないということなので、特にウクライナ(に対して)ですね。だから彼は妥協しないです」と指摘。プーチン大統領の冷徹ぶりを「難民が出てかわいそうだとか、民間人が殺されてかわいそうだとか、そういうふうに思う人ではない。ものすごく徹底して冷たくやると思います」と表現した。

 一方で、ウクライナのゼレンスキー大統領の思惑についても「ゼレンスキーがじゃあ妥協するかと言ったら、支持率2割くらいで批判されていたのが、国民のヒーローになって戦っているわけですから、絶対に彼も妥協するわけにいかない」と解説。「従って、どっちかが倒れるまでやるので、今の状況を聞かれれば、かなり長期戦になるんじゃないかなと思いますね。下手すると10年くらいの長期戦になる危険性もある。極論を言うと」とも話した。

 14年のクリミア併合後、米国はウクライナに大量の兵器を輸出。舛添氏によると、今回のロシアによる軍事侵攻でウクライナが抗戦を続けられている要因になっているという。「悲しい状況を言うと、アメリカの兵隊の血は一滴も流れていない。ヨーロッパの血も一滴も流れていない。死んでいるのはウクライナの兵隊とウクライナの民間人と、ロシアの兵隊なんです。ということは、突き放した言い方をすると、アメリカとロシアの代理戦争をウクライナがやらされているというような面もある」。さらに「誰もこういうことを言いません。言うと徹底的に日本のマスコミでたたかれますけれども」と、批判も覚悟の発言であることを自ら認めた。

 ロシアによるクリミアへの侵攻は、ソチ冬季五輪閉幕の2日後。今回も北京五輪閉幕の4日後に侵攻が開始された。舛添氏は「ソチから北京まで8年間の冬のオリンピックの間、国際社会は何やってきたんだ?という思いがあるんです」と怒りまじりに指摘。停戦のカギはイスラエル、中国の両国だといい、「一刻も早く停戦しないといけないから、中国なりイスラエルなり、調停できる人は頑張ってやってくれと」と期待を口にした。

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2022年3月6日のニュース