「鎌倉殿の13人」江間次郎にネット涙 八重に一途も善児再び!芹澤興人「1人の人生が報われる可能性を」

[ 2022年3月6日 20:45 ]

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第9話。妻・八重を逃がそうと、微笑みかける江間次郎(芹澤興人)(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は6日、第9話が放送され、俳優の芹澤興人(たてと、41)が好演してきた伊豆の武士・江間次郎は妻の八重(新垣結衣)を救い、討ち死に。SNS上には「泣ける」の声が続出し、反響。芹澤に撮影の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 ヒットメーカーの三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第9話は「決戦前夜」。ついに鎌倉入りを果たした源頼朝(大泉洋)の一党。敵対した平家方を捕らえるため、頼朝は競わせるように和田義盛(横田栄司)と畠山重忠(中川大志)を派遣。これを知った北条義時(小栗)と三浦義村(山本耕史)は、祖父・伊東祐親(浅野和之)と八重(新垣)を救うため、急ぎ伊東へと向かう…という展開。

 芹澤演じる江間次郎は、祐親の家人。狩野川を挟んだ北条家の対岸、江間を本拠とする。祐親の娘・八重は頼朝の最初の妻だったが、父に2人の間を引き裂かれ、粗末な館に住む次郎のところに嫁いだ。

 前回第8話(2月27日)、一気に劣勢に陥った祐親は伊東館に留まり、頼朝迎撃を決意。「血筋の良さを鼻にかけ、罪人の身で我ら坂東武者を下に見る。あんな男にどうして愛娘をくれてやることができようか!」。さらに「頼朝に決して八重を渡してはならん!攻め込まれたら…分かっておるな」と次郎に“厳命”。次郎は書をしたためる八重の背後に忍び寄り、刀に手をかけた…。

 しかし、次郎は「俺にはできません。俺にはあなたを殺せない。お逃げください!正面からだと、舅殿に見つかる。裏からどうぞ。急いで!」と涙。八重は「父上が命じたのですね。来て」と一緒に逃げようと次郎の手を取ったが、次郎は手を離し、精いっぱいの笑み。そこへ“仕事人”善児(梶原善)が不意に現れ、容赦なく次郎を斬った。「旦那様から固く申し付けられておるもんで、悪う思わんでください」――。

 第4話(1月30日)は伊豆国の目代・山木兼隆(木原勝利)が館にいる情報、第5話(2月6日)は大庭勢と伊東勢が北条を挟み撃ちにする作戦を、八重に明かしてしまった次郎。芹澤は「これまでは意図せずして八重さんの背中を押すことになっていたのですが、最後はしっかりと自分の意思で生き残る人の背中を押すことを心掛けました。それと、好きな人に手を握られる。この一点で1人の人生が報われる、という可能性を示したいと思いました」と述懐。

 「撮影当日は、決断の時が迫っているという状況に置かれていることが怖くて、ずっと現場から逃げ出したかったです。朝からの行動をほとんど覚えていないほど緊張していましたし、視野はいつも以上に狭くなっていたと思います。そんな状況の僕に、保坂(慶太)監督は、僕の意見に耳を傾けつつ、ボクシングのセコンドのように『次はこうしましょう』『次はこうしてみましょう』とシンプルな言葉で伝えていただいて、時間の許す限り、付き合っていただきました。具体的に自分がどういう芝居をしたのかは思い出せないのですが、手を握られた時の八重さんの手が凄く温かかったことは覚えています」と自身のラストシーンを振り返った。

 今回は「華やかな歴史上の人物たちの陰に隠れて、日の目を見ることのない人物が大きな歴史の流れにのまれていく。そんな人物がほんの一瞬だけスポットライトを浴びる。その瞬間だけは絶対に逃さずに演じ切りたいと思いました。ポイントは、僕自身も江間次郎も知名度という点では視聴者の方々からすると『誰だ、おまえ』ということなんだと思います。そこを逆手に取ることができたら、物語の序盤に勢いをつけることができ、このドラマに貢献できるんじゃないかと思いました」と次郎役にアプローチ。

 SNS上には「江間次郎が不憫」などと同情の声が集まったが「一番気を付けたのは『自分から“被害者”を演じにいかない』ということです。次郎は悲しい存在とか、不憫だとかは見る人たちが決めることで、自分から進んで受け入れて、それを演じてしまうと、次郎が本当につまらない役になってしまうと思ったからです。自分で自身を裁いてはいけないと思いました。なので『被害者は私だ』というマインドから発する芝居は選択肢に入れないように心掛けました。それと、全体をもう少し俯瞰して見た時、視聴者の皆さんに『次郎もいい男じゃないか』と思わせた方が物語にドライブがかかるんじゃないかと。『地位も名誉も容姿もパッとしないけど、心は綺麗で頼朝さんに負けていない』というところで何とか勝負できれば、それでも頼朝さんの元に行こうとする八重さんの想いの強さが表現できると思いました」と明かした。

 母親の実家が静岡・三島。幼少期には毎年、三島大社の祭りへ。静岡・江間にも、いちご狩りをしに家族で何度か訪れたことがある。「(第4話の)台詞の中に『三島明神の祭り』という言葉を見つけた時は感慨深かったです。江間次郎に不思議な縁を感じました」。役との運命的な出会いとなった。

 SNS上には「冒頭から泣けてしまう」「八重殿に好かれなくても一途に思い続けた江間次郎殿」「(八重が)初めて手を取って話しかけてくれたのでは」「塩対応of塩対応な嫁だったのに、八重への愛情にあふれてるの、泣ける」「現時点でナレ死より圧倒的に多い善児死」「後半の頼朝の焦りと一所懸命の坂東武者とのすれ違いに意識が集中したけれど、江間次郎の人生とは、を考えてしまうなぁ…。妻が違えば、また穏やかな人生だったかな…。そして、善児の淡々とした仕事っぷり。凄かった!」「江間次郎のことばかり考えて、後の話があまり頭に入ってこなかった。江間次郎ロスですよ。立派な男です。愛する女を守って。三谷幸喜さんも想定してなかっただろうな。江間次郎にもファンができること」などの声が続出。八重に対する次郎の思いが涙を誘った。

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