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“藤井を止めた男”副立会人・稲葉八段が見た 王将戦第2局

[ 2022年1月23日 05:30 ]

第71期ALSOK杯王将第2局第1日 ( 2022年1月22日    大阪府高槻市「山水館」 )

大盤解説する稲葉八段(左)と井上九段
Photo By スポニチ

 副立会人を務めた稲葉陽八段(33)は、先手・渡辺が主導した、角換わりの相早繰り銀について「個性より先々どこまで調べているか。研究勝負になりやすい戦型です」と思惑を解説した。

 流行中の相掛かりと違い、研究が比較的行き届いた角換わりは両者で見解が分かれる局面まで時間を使わず進むことが多い。開幕局を落とし、渡辺が先手で臨む第2局。「渡辺王将は是が非でも取りたいはず」とするのは、開幕連敗となれば残り5局で4勝が求められる7番勝負の成り立ちにもある。

 時間消費を抑えて指し進め、2日目に持ち時間を残す戦略との見立て。対して藤井も昨年来、相掛かりの採用例が増えたがデビュー以降、主戦場としたのは角換わり。両者の思惑がかみ合った第2局1日目だった。

 2017年に名人挑戦経験がある稲葉は、渡辺とその挑戦権を争うA級で数々対局。そして藤井とも熱戦を重ねてきた。

 今期王将戦挑戦者決定リーグ入りを争い、2次予選決勝を戦った。昨年6月のB級1組では藤井が2年4カ月にわたって継続した順位戦における連勝を22でストップ。名人挑戦権を争うA級昇級を懸け、13人で2枠を争うB級1組では現在、8勝2敗の藤井が首位、7勝3敗の稲葉が2番手で追走する。

 昨年10月のNHK杯、藤井が深浦康市九段(49)に敗れ、終局後、机に突っ伏した対局では解説を務めた。感想戦を司会するため、対局室に入ると落胆を隠さない姿が視界に飛び込んできた。

 「勝ち負けよりも内容が良くなかった」。自身の指し手への後悔や憤りの表れと推し量るとともに、「あそこまでの悔しがり方は凄い」。一局に傾けるその熱量に改めて驚きを示した。

 ◇稲葉 陽(いなば・あきら)1988年(昭63)8月8日生まれ、兵庫県西宮市出身の33歳。井上慶太九段門下。08年4月に19歳でプロ入り。17年に名人戦挑戦。13年に銀河戦、20年にNHK杯で優勝。

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