漫画「ふたりエッチ」25周年 克・亜樹さん「100巻までは頑張りたい」
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童貞と処女で結婚した夫婦を中心に、多様な性の営みを描いた人気漫画「ふたりエッチ」が、掲載誌「ヤングアニマル」(白泉社)のきょう24日発売号で25周年を迎える。性がメインテーマの漫画では異例の長期連載。作者の克・亜樹さんがスポニチ本紙の取材に「100巻までは頑張りたい」と“大台”への意欲を示した。
1996年の連載開始を振り返り「最初はキスシーンを描くのも恥ずかしかった。慣れって怖いですね。食事のような感覚で描けるようになりました」と苦笑いの克・亜樹氏。少年時代は美内すずえさんの名作「ガラスの仮面」を読んで育った少女漫画好き。大学在学中の1983年、同作の掲載誌「花とゆめ」の新人漫画賞でトップ賞を取って同誌でデビューを飾った経緯もあって「青年誌でエッチな漫画を描くとは思ってもいなかった」と明かす。
だが、だからこそ超長期連載とすることができたのかもしれない。きっかけは、当時の担当編集者の一言。「エッチなのやろうよ」。デビュー10年が過ぎ、活躍の場を青年誌に移した頃だけに意外な提案ではなかった。ただ「ずっと恋愛漫画を描いてきた」というこだわりから、内心は抵抗もあったようだ。「だったらウンチクやハウツーを入れて、プラスアルファのあるエッチ漫画にしたい」と主張した。
「ふたりエッチ」は、前戯や体位など性のテクニック、男女の体の仕組み、性生活に関する意識調査の結果など知識やデータをふんだんに入れ込んだ異色のエッチ漫画となった。
描いてみれば「性は、掘り下げれば掘り下げるほど、こんなに奥が深いのかと驚いた。どんどん新しい事も出てくる」というネタの宝庫だった。サラリーマンの主人公・真と、専業主婦の妻・優良(ゆら)がイチからセックスを覚えていくストーリー。真がインポになったり、意外とモテて不倫の誘惑に遭ったり…などのピンチを乗り越えて、2人はどんどん上達していったが、当初最終回に想定していた「優良の妊娠出産」になかなかたどりつかない。
結局、優良の妊娠が発覚したのは連載20年の2016年発表の704話で、単行本は73巻に達していた。これには「編集さんとは何度か『もうそろそろいいのでは』『いや、まだいいんじゃない?』というやりとりを繰り返すうちにズルズル来てしまった」と苦笑い。結局、優良は17年に出産したが、作品は続いている。来月28日には85巻が発売される。
一般的な成人男性向けエッチ漫画は、女性とセックスすることが最終目標となりがちだ。だが「ふたりエッチ」は違う。「もともと『セックスしても終わらない。結婚しても終わらない』と思って描き始めたので、子供ができても終わらなくていいと思うようになった」。夫婦の性だけでなく、それぞれのきょうだいや、真の同僚OL、ご近所さんら脇を固めるキャラクターたちを使って多様な性のあり方を描いている。最近は中年童貞のキャラクターが登場するなど「ミドルの性」がテーマのエピソードも描いている。
長期連載を支えるのは、少女漫画を読んだ培った「恋愛漫画」の要素もある。「セックスは恋愛の延長。それを描くことで、逆に本当の恋愛がしっかり描けているかもしれない」と考えている。真と優良が夫婦として生活する中で思い合い、ときめくさまも丁寧に描かれる。ちなみに真は不倫していない。「未遂というか、危ない場面はありましたが、それをやったらいけないと思っている」と語気を強めた。ただ、妄想では優良以外の女性とも体を交えている。
今後については「僕も今年で還暦。そんなに長くできないと思う半面、今の年齢だからこそ描きたいことも出てくることがある。会社が許してくれるなら100巻までは描いてみたい」と、えっち漫画初の3ケタに意欲を見せた。
「ヤングアニマル」2022年1号では、「ふたりエッチ」の25周年を記念し、電子書籍(1~50巻)の無料開放や、克氏のサイン入り原画プレゼント、アパレルブランド「SOXSOCKS」とのコラボアイテムの販売など、5つの企画を告知している。
◇克・亜樹(かつ・あき)1961年9月19日生まれ、福岡県出身の60歳。大阪芸術大学在学中の83年、白泉社「花とゆめ」HMCトップ賞、小学館新人コミック大賞佳作を同時期に受賞。受賞作の「メアリーララバイ」が同年5月の「花とゆめ」増刊号、「ルピア!」が同7月の「週刊少年サンデー夏休み増刊号」に掲載されてデビュー。86年、週刊少年サンデー「はっぴぃ直前」で週刊誌初連載。「星くずパラダイス」「熱いぞ!猫ケ谷!!」など。「ふたりエッチ」は2002年からOVAでアニメ化。11年から4度、実写映画化され、優良を森下悠里、青山ひかるらが演じた。
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