“美しい十代”大いに羽ばたく!

[ 2021年8月16日 16:50 ]

東京五輪体操個人総合決勝、逆転金メダルを確信し、橋本を抱きしめて祝福する北園(撮影・北條 貴史)
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 【佐藤雅昭の芸能楽書き帳】東京五輪が閉幕した。日本代表は過去最高となる58個のメダルを獲得した。ちなみに金27個、銀14個、銅17個で、4位から8位の入賞者も77人を数えた。

 地の利があったにせよ、それを生かすも殺すもアスリート次第。ましてや無観客での開催だ。テレビ越しの声援がどれだけ力になったか不明な分、代表選手たちの頑張りには改めて拍手を送りたい。

 10代のメダリストが多く生まれた。体操男子個人総合と種目別の鉄棒で金メダルに輝いた橋本大輝は19歳(獲得時、以下同)、銀メダルを獲得した男子団体メンバーの北園丈琉は18歳。競泳男子200メートルバタフライで銀メダルの本多灯は19歳。卓球男子団体で銅メダリストとなった張本智和は18歳だ。

 スケートボードの女子は10代が躍動。ストリートで金の西矢椛は13歳、銅の中山楓奈は16歳。パークで金の四十住さくらが19歳、銀の開心那は12歳だ。大技に失敗して4位入賞に終わりながら、個人的には最も躍動していたように目に映った岡本碧優も15歳だ。男子高飛び込みで7位入賞を果たした玉井陸斗は14歳だ。

 三田明(74)が歌った「美しい十代」を思い出す。1963年10月に発売されたデビューシングルで大ヒット。翌64年には日活で映画化もされている。先の東京オリンピックが開かれた年だ。身寄りのない男女の恋を描いた青春映画で、西尾三枝子(74)と浜田光夫(77)が主演。もちろん三田も出演した。

 10代の躍動は美しく、そして頼もしい。競技を続けていると仮定しての話になるが、スケボーの開心那は3年後のパリ大会を15歳、7年後のロサンゼルス大会を19歳で迎える計算。その頃には新たに現れるティーンとの代表争いも熾烈になっているかもしれないが…。

 体操にはメキシコ(68年)、ミュンヘン(72年)、モントリオール(76年)の3大会に出場し、金8、銀3、銅1を獲得した加藤沢男氏(74)がいる。また、メキシコ、ミュンヘンの2大会で金6、銀2、銅2の中山彰規氏(78)、ヘルシンキ(52年)、メルボルン(56年)、ローマ(60年)、東京(64年)の4大会で金5、銀4、銅4の小野喬氏(90)、そしてローマ、東京、メキシコの3大会に出場して金5、銀2個を獲得した故遠藤幸雄氏らがいる。橋本と北園には偉大なる先人たちを目標にさらに羽ばたいてほしいものだ。

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2021年8月16日のニュース