EMILY 映画主演で女優デビュー 「人が変わったように表現の幅が広がった」

[ 2021年7月13日 11:30 ]

映画「リスタート」で主人公を演じたEMILY
Photo By 提供写真

 【牧 元一の孤人焦点】フォークデュオ「HONEBONE」のボーカル・EMILYが16日公開の映画「リスタート」に主演し、女優デビューする。

 映画は、シンガー・ソングライターを夢見て上京した主人公がスキャンダルで傷つき、故郷の北海道・下川町に戻って再生していく物語。製作開始前、品川ヒロシ監督が女性ミュージシャンを主人公にしようと模索していたところ、EMILYがテレビ番組で歌って話しているのを見たのをきっかけに出演依頼に至った。

 EMILYは「脚本を読ませていただいたら、自分のことが書かれているようで怖かったです。実体験ではないけれど、身に覚えのあるような状況やセリフが多かった。品川監督が私の楽曲やプロモーションビデオ、ブログを、かなりさかのぼって見てくれたようで、私より私のことを知っている感じでした」と振り返る。

 初めて挑む演技の仕事。映画の本読みが始まる前、役者の友人に頼んで、週に4回ほど本読みの練習をしたという。

 「いま思えば、撮影に入る前のミュージシャンの自分の方がちょっとウソっぽい。逆に、演技しちゃっている感じでした。品川監督に全部ほどいてもらって、教えてもらってから、自然でなおかつ人に伝わる表情や声の出し方ができるようになりました。撮影が終わった後、人が変わったように表現の幅が広がったと思います」

 見どころのひとつが、後半で主人公と義父(中野英雄)が対話する場面。EMILYがミュージシャンと女優の顔をかなぐり捨てたかのように、ぐしゃぐしゃに泣きじゃくる表情が印象的だ。

 「あれは本当に泣いています。あの場面は何回も撮ったんですけど、私の経験不足で、追い込まれていて『もうできないです』という感じだったんです。そうしたら、中野さんが『ごめん、今のは演技っぽかった。もう一回!』と言い出してくれたんです。撮り直した時は、演技でお義父さんと話しているんじゃなく、素で中野さんと話している感じになって、涙が止まらなくなりました。あの場面は中野さんが引き出してくれたものです」

 そして、クライマックスは終盤のライブの場面。主人公がアコースティックギターを手に主題歌「リスタート」(作詞・作曲 HONEBONE)を歌う。

 EMILYの存在感あふれる歌声。♪ここで歌っている 私のことを 笑いたいなら 笑えればいいだろう…という歌詞がこの物語を凝縮しているようで胸に刺さる。

 「あれは、いつもライブをやっている素の自分です。あの場面の撮影で、5回以上、歌ったんです。長い曲なので結構エネルギーがいるんですけど、下川町の住民の方々にエキストラで来ていただいていたので、全部、本気で歌いました。『あれから応援してます』と言ってくださる住民の方もいます」

 品川監督はなぜ彼女を主演に起用したのか…。その答えが、歌声から自然にわき上がる作品になっている。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

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