東野絢香 朝ドラから舞台へ 「生の熱量をお届けしたい」

[ 2021年7月7日 11:20 ]

舞台「リボルバー~誰が【ゴッホ】を撃ち抜いたんだ?~」に出演する東野絢香
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 【牧 元一の孤人焦点】女優の東野絢香(23)が10日に東京・渋谷のPARCO劇場で開幕する舞台「リボルバー~誰が【ゴッホ】を撃ち抜いたんだ?~」に出演する。

 5月まで放送されたNHK連続テレビ小説「おちょやん」で主人公(杉咲花)の親友・みつえを演じて以来の芝居。「おちょやんはある意味で私の原点で、ここから新たにスタートしようという気持ちです。この舞台で、成長した姿を見ていただきたいと思います」と意気込む。

 舞台は画家・ゴッホ(安田章大)の謎に満ちた生涯にまつわる物語。演出は映画「世界の中心で、愛をさけぶ」などで知られる行定勲監督。東野は事件の鍵となる「リボルバー」を持つ謎の少女と、画家・ゴーギャン(池内博之)の現地妻の2役を演じる。

 舞台出演は2019年の「掬う」以来、約1年半ぶり。「おちょやん」の撮影が1年にわたって続き、ドラマの芝居に順応していた。

 「稽古が始まった当初は結構、戸惑いました。久しぶりに舞台にお世話になりますが、演出の行定さんから『表現が小さい』と言われ、なるべく大きく表現するようにしております。PARCO劇場は今まで立った中でいちばん大きな劇場で、夢の舞台として楽しみな半面、自分の表現がどこまで届くかという不安もあります」

 入念な役作りが持ち味。「おちょやん」では、みつえが戦争で義父母、夫を失う場面に臨むため、年末年始をあえて1人きりで過ごす体験をした。

 「ゴーギャンの妻はタヒチの14歳の女性。外国人の役を演じるのは初めてで、現地の10代の雰囲気が分からなかったので、インターネットで探してドキュメンタリーを見ました。印象的だったのは『目』で、日本の少女より鋭い感じでした。目つきを意識し、ゴーギャンへの愛情がゆがむのを目でも表現しようと思いました」

 この舞台は、朝ドラで重要な役柄を演じ切った経験を存分に生かせる場所でもある。

 「22歳から23歳は新社会人になるタイミングで、あの現場を経験できたのは大きな財産です。『おちょやん』を客観的に見直してみると、最初の頃のみつえは世間知らずの顔をしていました。役柄としてそれで良かったんですが、現実としてあの頃の私自身も世間知らずでした。みつえは年齢を重ねていくうちに顔つきが変わってゆきます。私自身もこの1年でいろいろと勉強させていただいて少しは成長できたと思います。始まる前と終わった後では内面が全く違います」

 今作は、大人の仲間入りをしての初舞台とも言える。

 「このご時世に舞台をやらせていただくこと自体に感謝です。みなさんには感染対策をして来ていただくことにはなりますが、生の熱量をしっかりお届けしたいと思います」

 新たな魅力が噴出する舞台になりそうだ。

 ◇東野 絢香(ひがしの・あやか)1997年(平9)11月9日生まれ、大阪府出身の23歳。女優を志して18歳で上京。2018年、VIPO主催アクターズセミナー賞優秀賞受賞。19年の舞台「掬う」などで注目され、昨年のオーディションで「おちょやん」に出演した。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

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