“切り札”安住アナの朝投入 夜の印象払しょくできるか

[ 2021年5月23日 18:23 ]

TBSの安住紳一郎アナウンサー
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 TBSが午前中の視聴率低迷からの巻き返しを図り、押しも押されもせぬエースアナウンサーの安住紳一郎アナ(47)を10月からスタートする朝の情報番組のMCに据えることを決めた。芸能界引退を発表した夏目三久(36)が司会を務める「あさチャン」(月~金曜前6・00)が9月いっぱいで終了。これに変わる新番組に安住アナを起用。局として大勝負に出る。

 長年にわたって同局の鬼門となってきた朝の帯番組。「あさチャン」はテコ入れのため何度もリニューアルしたが、視聴率の伸び悩みが続く。さらに、今春スタートしたばかりの生活情報番組「ラヴィット」(月~金曜前8・00)も不調。同局関係者からは「局員の間では帯番組への〝安住待望論〟が長くあった。ついにそれが実現した」という声も聞こえてくる。

 安住アナの投入について、同局関係者は「帯番組の大型改編のたびに安住アナの名前は上がっていた。ただ、安住アナはエースにして、最後の砦でもある。〝安住さんを起用して失敗は出来ない〟とか〝もし安住さんで失敗してしまうと、その後にはもう誰もいないぞ〟という怖さもあった。安住アナも〝安易には引き受けられない〟というスタンスでした」と説明した。ただ、今回は局も本気で、同関係者は「幹部も加わって安住アナを口説き落とした」という。

 1日の始まりである朝の番組は、テレビ局が重視する「視聴習慣」に大きく関係する。「大事なことは、どれだけ長くチャンネルをTBSに合わせてもらえるかどうかだ。そういう意味で、朝にTBSを見てもらえると、昼から夜の番組への視聴にもつながる」と説明。実際に、昼以降の帯番組は好調。「ひるおび」から「ゴゴスマ」(CBCテレビ制作)、夕方の「Nスタ」まで視聴率は安定している。朝の視聴率が上がれば、全体の視聴率をより引き上げることにもつながる。

 熟考して引き受けた安住アナにとっても、失敗できない戦いとなる。そのために、局側にさまざまな要望を出しているという。新番組のプロデューサーには、安住アナが出演する人気バラエティー「ぴったんこカン・カン」(金曜後8・00)のスタッフを起用。気心の知れたスタッフとともに番組をつくっていく形となる。

 他局からも「どのような番組になるのか」と注目が集まる。他局の関係者は「安住アナは土曜日の『ニュースキャスター』や『ぴったんこ…』など夜の番組の印象が強い。いかに朝のイメージをつくっていけるかが、ひとつの勝負所になりそうだ」と話している。

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2021年5月23日のニュース