山田洋次監督 志村けんさんは「最後の喜劇俳優」 渥美清さんに重なる姿

[ 2021年3月31日 11:00 ]

志村けんさんの思い出を語る山田洋次監督(撮影・西川祐介)
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 29日に一周忌を迎えた故・志村けんさん(享年70)の足跡を振り返るNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」(水曜後7・30)が30日、放送された。志村さんが主演予定だった映画「キネマの神様」(8月6日公開)のメガホンをとった山田洋次監督(89)が出演した。

 初対面では「どっちかといえば口数が少ない。僕の目を見て話すことはほとんどなかったね。うつむいてぼそぼそという話し方をする人」だったというが、そこがかえって「すごい魅力的」に映ったという。

 かつて俳優の渥美清さんが、喜劇俳優というのは「非常に危険なところを歩いていなきゃいけない。際どいところを、一歩踏み外したらナラクの底に落ちてしまうようなところを恐る恐る歩いているような人生をたどらなきゃいけません」と語っていた言葉と重ね、「ああ、この人は危険な道を必死になって歩いてるコメディアンだなと思った」と回想した。

 滑稽な人間を演じるということは「人間の深い悲しみをよくわかってなきゃできないこと。この人はすごいなと。僕に言わせれば最後の喜劇俳優だなって感じがしたね」と語り、「彼の豊かな表現力の本当に半分も3分の1も出し切らないで死んじゃったと思う。悔しいね。喜劇を志す監督としてとっても残念に思っている」と志村さんをしのんだ。

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2021年3月31日のニュース