藤井2冠も足運んだ「日本最大の道場」新宿将棋センター3月末閉店

[ 2021年2月28日 05:30 ]

1996年の新宿将棋センター(新宿将棋センター・芳賀徹さん提供)
Photo By 提供写真

 見知らぬ人同士で対局が楽しめ、かつては「日本最大の将棋道場」と呼ばれた新宿将棋センター(東京都新宿区)が、来月末で閉店する。藤井聡太2冠(18)も足を運んだ道場だが、インターネット対局の普及や利用者の高齢化に加え、コロナ禍が直撃した。

 「多い時代は1日500人もお客さんが来た。盤が並んだ机の間で、次の人が順番待ちをしていた」

 約30年、同センターに勤務してきた長嶋和夫さん(60)は数組が将棋を指しているフロアに目をやった。1970年代に歌舞伎町で営業を開始し、09年から西口に近いビル内にある。将棋ファンでにぎわい、プロ棋士も修業の場とした。ここ数年は経営難だったが、コロナ禍が追い打ち。歌舞伎町でのクラスターで、利用者の中心だった高齢者が敬遠。緊急事態宣言での時短営業も響いた。

 近年、最も人が集まったのは藤井2冠が29連勝した4年前。長嶋さんは「藤井さんも子供のころ、杉本師匠に連れられて2度ほど来ました。こんなに凄くなるとは」と振り返った。利用者は「盤を挟んで生の対戦はネットとは違う。存続してほしかった」と惜しむ。運営元の将棋連盟は移転先を探す方針としているが、約半世紀の歴史はいったん幕を下ろす。

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2021年2月28日のニュース