第4局明暗この一手　鬼の軍曹!3三歩から渡辺王将のお株奪う攻め込み　

スポニチ主催　第70期王将戦7番勝負第4局第2日 （ 2021年2月14日    東京都立川市・SORANO　HOTEL ）

王将戦・A図
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　【明暗この一手　関口武史】封じ手前の▲4四桂が好手で、駒得を果たした永瀬が2日目も快調に指し進める。▲7二銀～7四銀が最強の手順で形勢の針ははっきり永瀬に傾く。「予想以上に厳しく踏み込まれた」と昼食時に渡辺は語り、永瀬の背中を追う展開となった。

　渡辺のお株を奪うような軽快な攻めが続き▲3三歩（A図）が軽妙な一手。△同桂と取りたいがそこで▲8六角が絶好の飛び出し。歩の打ち捨ての効果で△3三王と逃げられない。同時に△6六歩が先手陣の急所なのだが▲6八金引を用意している。

　仕方のない△同王だったが▲2一飛成～2四歩と右辺に戦場が移り、遊び駒だった▲3七銀まで息を吹き返した。見事な駒運びで寄せの網を絞り、永瀬が王将戦7番勝負初勝利を飾った。（スポニチ本紙観戦記者）