「天国と地獄」溝端淳平“八巻お手柄”反響「うれしい誤算」小動物的ピュアさ体現 綾瀬&一生から刺激

[ 2021年2月14日 09:00 ]

「天国と地獄」溝端淳平インタビュー

日曜劇場「天国と地獄~サイコな2人~」で八巻の感情をストレートに表現する溝端淳平(C)TBS
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 俳優の溝端淳平(31)がTBS日曜劇場「天国と地獄~サイコな2人~」(日曜後9・00)で主人公(綾瀬はるか)とバディを組む後輩刑事役を好演し、話題を呼んでいる。第2話(1月24日)ラストには、主人公と殺人鬼(高橋一生)の入れ替わりに気付く“お手柄”をあげ、視聴者の涙も誘う大反響。レギュラー出演としては2010年4月期「新参者」以来、約11年ぶりの日曜劇場“凱旋”となった溝端に、撮影の舞台裏を聞いた。

 鹿児島・奄美大島に伝わる「月と太陽の伝説」かのごとく、刑事と殺人鬼の魂が入れ替わる究極の“スイッチエンターテインメント”。脚本はNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」、大河ドラマ「おんな城主 直虎」などで知られる森下佳子氏(49)が手掛けるオリジナルストーリー。TBS「世界の中心で、愛をさけぶ」「JIN―仁―」「義母と娘のブルース」などに続き、綾瀬&演出・平川雄一朗監督(48)と再びタッグを組んだ。

 綾瀬は意外や日曜劇場初主演&刑事役初挑戦。サイコパスな殺人鬼役に挑む高橋も日曜劇場初出演。綾瀬が演じるのは、捜査一課の刑事・望月彩子。正義感の強い努力家だが、上昇志向もあり、思い込んだら一直線。失敗も多いため、周囲からは煙たがられている。高橋が演じるのは、創薬ベンチャー企業コ・アース社の社長・日高陽斗。類まれな頭脳と知識を駆使する殺人鬼という“裏の顔”を持つ。

 初回(1月17日)ラスト。彩子(綾瀬)は猟奇殺人事件の重要参考人・日高(高橋)を追い詰めたが、手錠をかけようと揉み合いに。2人は歩道橋の階段から転げ落ちる。その拍子に、2人の魂が入れ替わってしまった…。

 溝端が演じるのは彩子とバディを組む後輩刑事・八巻英雄。彩子から「ゆとり八巻」と叱られてばかりの現代っ子だったが、彩子(魂・日高、綾瀬)の異変を察知。日高(魂・彩子、高橋)のマンションを訪れ、インターホン越しに先輩後輩にしか分からない質問を連発した。

 次々に答える日高(魂・彩子、高橋)に、八巻は「信じられないけど、信じるしかないですね。望月さんは日高と入れ替わったんですよね?そうなんですよね?」と2人のスイッチに気付く。日高(魂・彩子、高橋)は泣きじゃくりながら「お手柄だよ、八巻。今まで一番お手柄だよ」――。絶望のどん底にいた日高(魂・彩子、高橋)を八巻が救った。

 SNS上には「我が家は八巻に拍手喝采でした」「八巻が気付いてくれた瞬間、ガッツポーズしたのは私だけではないはず。しばらく興奮して、うれしすぎて涙が止まらなかった」「日高(魂・彩子、高橋)がインターホン(越しに八巻の頭を)撫でたところで涙腺崩壊」などの書き込みが続出した。

 大反響について、溝端は「視聴者の皆さんも八巻があまり優秀な刑事じゃないと認識していたと思いますので、その分、より多く僕の耳にも入ってきましたね。撮影の時には、視聴者の皆さんがここまで反応してくださるとは予想していなかったので、ビックリしましたし、非常にありがたいです」と想定外の驚きと感謝。入れ替わりに気付いたため、彩子(魂・日高、綾瀬)に狙われる可能性など、八巻を案じる声も上がり「“死亡フラグ”が立っていると考察してくださったり、それだけ集中して見てくださっている証拠。3話(1月31日)も踏切や人けのないシーンで八巻が背後から襲われるんじゃないかと心配してくださったり。視聴者の皆さんがこんなにも八巻にスリリングを感じてくださるとは思っていなかったので、うれしい誤算です」と喜んだ。

 第2話ヤマ場となったインターホンの場面は「この物語を通して、僕にとって一番重要なシーンの1つ」と臨んだ。部屋の中にいる日高(魂・彩子)を演じる高橋の声を事前に収録。その声を聞きながらの演技となる難しさもあった。

 「魂が入れ替わったというファンタジーの世界に、八巻はどうしてスンナリ飛び込めるのか。単に頭がいいだけじゃ、その世界を認識して受け入れるのは、なかなか難しいと思うんです。こき使われながらも、彩子に対する尊敬の気持ちが強くないと、そう簡単に入れ替わりには気付けない。『少しポンコツでも、非常にピュアな八巻だからこそ気付けた』と視聴者の皆さんに感じていただけるように、2話のラストに向けて1話から自分なりに逆算してキャラクターをつくったつもりです。あんなに臆病な八巻が容疑者・日高を1人で訪ねるのは、かなり勇気の要ること。何とかしてバディを助けてあげたいという真っすぐな思いがあふれ出たがゆえの行動だったと思います。それほど、彩子への思いが強かったんでしょうね。インターホンの場面は、その部分を一番心掛けて演じました」

 八巻の「混じりっけのない純粋さ」を体現するにあたり、ヒントになったのは制作サイドからの「小動物のようにいてほしい」というリクエスト。「八巻が映った瞬間、今、何を考えているのか、余裕をかましているのか、ビビっているのか、ひと目で分かるような存在にしたいと思いました。八巻の気持ちは、視聴者の皆さんに筒抜けでいいんじゃないかと。その場の出来事に対して、八巻が動物的にダイレクトに反応している様子が出るように、それこそ歩き方から、声の出し方から、目の動かし方から意識しました。ただ、度が過ぎると、その姿が警視庁捜査一課の刑事に見えるのか、さじ加減は難しい部分もありましたね」と役作りの一端を明かした。

 目下、彩子と日高の入れ替わりを知るのは八巻だけ。入れ替わり前後の綾瀬&高橋の目の当たりにしている溝端は「綾瀬さんは待機中の気さくな感じから、本番が始まると自然と日高になっていて、お芝居のスイッチをいつ入れているのか、毎回驚かされます。一生さんは1カット、1つの台詞、1つのリアクションの中にも、毎回いくつもの要素が重なっていて、その1つ1つがリアル。本当に勉強になります。あくまで僕から見るとですが、お二人はタイプの違う役者さん。綾瀬さんは受け止めてくれる凄さ、一生さんは引っ張ってくれる凄さがあるので、非常に刺激的な現場です」と2人との共演に感化。

 「綾瀬さん演じる彩子(魂・日高)、一生さん演じる日高(魂・彩子)もすぐに受け入れることができて、お二人が入れ替わってからの方が長くご一緒していて全く違和感がないので、今、元に戻ると、僕の場合は変な感じになるかもしれませんね」と笑った。

 14日は第5話を迎え、物語は中盤へ。今後については「人をホッコリさせると同時に、ハラハラさせるのが八巻。視聴者の皆さんを今後もハラハラさせるということだけは、お約束できると思います。ちょっとポンコツな八巻を温かい目で見守っていただけると、うれしいです」と呼び掛けた。

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