「麒麟がくる」完結“麒麟ロス”広がる 光秀&信長の友情にネット涙も「こんなに切ない本能寺の変はない」

[ 2021年2月7日 20:58 ]

大河ドラマ「麒麟がくる」最終回(第44話)。炎上する本能寺を目の当たりにし、涙を浮かべる明智光秀(長谷川博己)(C)NHK
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 俳優の長谷川博己(43)が主演を務めたNHK大河ドラマ「麒麟がくる」(日曜後8・00)は7日、15分拡大版で最終回(第44話)を迎え、完結した。池端俊策氏(75)の脚本や長谷川をはじめとしたキャストの熱演により、裏切り者のイメージから新たな明智光秀像を創造。戦国最大のミステリー「本能寺の変」(天正10年、1582年)を描いた最終回で、ボルテージは最高潮に達した。インターネット上にはドラマ終了を惜しむ声や感謝の声が相次ぎ“麒麟ロス”が広がった。

 <以下、ネタバレ有>

 この日は午後5時45分から放送されたBSプレミアムのオンエア終了直後に「#麒麟がくる」がツイッターの国内トレンド1位。午後8時からの総合テレビの本放送がスタートした後(午後8時11分)には世界トレンド1位の大反響を呼んだ。

 大河ドラマ59作目。第29作「太平記」(1991年)を手掛けた名手・池端俊策氏(75)のオリジナル脚本で、智将・明智光秀を大河初の主役に据え、その謎めいた半生を描いた。昨年1月19日にスタート。新型コロナウイルスの影響により、途中、約3カ月の撮影&放送休止を挟み、1~12月の暦年制としては史上初の越年放送となった。

 「麒麟」は、王が仁のある政治を行う時に必ず現れるという聖なる獣。最終回は、戦国最大のミステリーにして今作最大のクライマックス「本能寺の変」が描かれた。

 最終回は、宿敵・武田家を打ち滅ぼした戦勝祝いの席で、光秀(長谷川)は信長(染谷将太)から理不尽な叱責を受け、饗応役(きょうおうやく)の任を解かれる。追い打ちをかけるように信長は、光秀と縁深い四国の長宗我部征伐に相談もなしに乗り出すと告げる。「殿は戦の度に変わってしまった」と、その行き過ぎた態度をいさめる光秀に、「己を変えたのは戦ではなく光秀自身だ」と信長は冷たく言い放つ。そしてついに、ある究極の命令を光秀に突き付ける…という展開。

 究極の命令とは、将軍・足利義昭(滝藤賢一)殺害。光秀が一人、丹波の愛宕山に入ると、帰蝶(川口春奈)の言葉「毒を盛る、信長様に。今の信長様をつくったのは父上であり、そなたなのじゃ。その信長様が独り歩きを始められ、思わぬ仕儀となった。よろず、つくった者がその始末を成す他あるまい。違うか」などが去来し、決断。丹波・亀山城。家臣・藤田伝吾(徳重聡)、明智左馬助(間宮祥太朗)、斎藤利三(須賀貴匡)を前に「我が敵は、本能寺にある。その名は、織田信長と申す。信長様を討ち、心ある者と手を携え、世を平らかにしていく。それが我が役目と思い至った」――。

 6月2日早朝。信長は光秀に襲撃されたと分かると「十兵衛か」と第一声。左肩に矢を受け、奥の間に戻ると「十兵衛。そなたが。そうか」と笑いと涙がこみ上げ「十兵衛かぁ!」と語気を強めた。血を舐め「であれば、是非もなし」――。最期は「ここに火をつけよ。わしの首は誰にも渡さぬ。火をつけよ。わしを焼き尽くせ」と側近・森蘭丸(板垣瑞生)に指示し、息絶えた。

 光秀55歳、信長49歳。尾張の海辺で2人が出会ってから約35年。“大きな国”を目指し、二人三脚で歩んできた。炎上する本能寺を前に、光秀の脳裏には信長との思い出がよみがえった。しかし、天下を獲った光秀の前に、羽柴秀吉(佐々木蔵之介)が立ちはだかり、光秀は敗れた。

 本能寺の変から3年後。高山城へ向かう途中、駒(門脇麦)は備後・鞆(とも)の浦に立ち寄り、足利義昭(滝藤賢一)と再会。駒は「ご存じでございましょうか?十兵衛様が生きておいでになるという噂があるのを。私も聞いて驚いたのですが、実は密かに丹波の山奥に潜み、いつかまた立ち上がる日に備えておいでだというのです」。そして、駒は市場で“ある侍”の姿を見つけ、追い掛けたが、姿を見失う。「十兵衛様」。ラストシーン。その侍は馬を駆って地平線に向かっていた――。

 SNS上には「十兵衛ロス」「染谷信長ロス」「明日からのロスに耐えられる気がしないし、耐える気もあんまりない。2年くらい会社休みたい」「本当に色々なことがあったけど、完走おめでとうございます!楽しい大河ドラマをありがとうございました!来週から寂しくなるなぁ。ある種ファンタジー的な説を取り入れたわけだけど、『麒麟がくる』の明智光秀にとっては、これがベストな終わり方なんだなって思って…(鼻水ズビズビ)」「コロナの影響で多少カットせざるを得なかったところもあるが、今まで悪人役的存在のある明智光秀が主役。何とも思いやりのある武将だったことが感じられた。主演の長谷川さんはじめ、スタッフの皆様、1年間素晴らしい作品をありがとうございました」「ストーリーは分かり切っている歴史ドラマで、こんな新鮮な驚きがあるのは滅多にないですね。そして十兵衛を愛してる視聴者に配慮が行き届いていましたし。もうね、駒ちゃんの台詞で涙が出てきましたもの」「麒麟は…くる。間違いなく、くる。呼んだのは…。見応えある、切ない時代の人間たちの素晴らしい物語だった。ありがとう」などの声が続出。

 光秀と信長の“友情”が引き裂かれる今作ならではの本能寺の変には「染谷信長。斬新で魅力的な語り継がれる信長だよね。本能寺で泣かされるとは思ってもいなかった」「信長の十兵衛LOVEがあふれる本能寺に思わず涙した」「悲しげな十兵衛と、どこかうれしそうなノッブ。泣ける」「こんなに切ない本能寺の変はない。涙が止まらない。ラストはあれでいいね。その後はみんなの心の中にある」「尺は短いけど、大河ドラマ史上最高の本能寺の変なのでは」などと涙する視聴者も相次いだ。

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