来年2月に銀河鉄道999シネマ・コンサート 原作の松本零士氏「音楽に感謝」

[ 2020年12月4日 05:00 ]

銀河鉄道999シネマ・コンサートについて語った野沢雅子と松本零士氏
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 【牧 元一の孤人焦点】映画にとって音楽が重要なのは言うまでもない。漫画家の松本零士氏は自作「銀河鉄道999」の1979年の映画化に関して「音楽に助けられた」と話す。

 その音楽をじっくりと聞く機会が訪れる。来年2月6日に東京国際フォーラム、同11日に大阪・フェニーチェ堺で開催される「銀河鉄道999シネマ・コンサート」だ。

 指揮は栗田博文氏。東京公演では東京フィルハーモニー交響楽団、大阪公演では大阪交響楽団が演奏。主題歌を歌ったロックバンド「ゴダイゴ」のタケカワユキヒデが両公演にスペシャルゲストとして出演する。

 シネマ・コンサートはライブ感覚で映画を楽しむエンターテインメント。映画のセリフや効果音はそのままに、音楽の部分をオーケストラが上映に合わせて生演奏する。映画「銀河鉄道999」は全編に美しいオーケストラサウンドが流れる作品とあって、うってつけだ。

 松本氏は映画製作時を振り返り、「オープニングから音楽が大事。曲によって雰囲気が出るし、盛り上がりもする。私は子供の時からクラシックが好きだったので、頭の中でクラシックと現代音楽がまざったものを考えていた」と回想。映画の音楽を担当した作曲家の青木望氏について「私が『ベートーベンの交響曲何番の何楽章みたいな感じ』などと勝手なことを言うのを聞いてくれて、そういう雰囲気の曲を新しく作ってくれた。非常に感謝している。音楽に助けられ、映画には私が考えた雰囲気が見事に出ている」と話す。

 主題歌はゴダイゴの「銀河鉄道999/THE GALAXY EXPRESS 999」。当時、ロックバンドがアニメの主題歌を歌うのは初めてで、アニメとロックの組み合わせを不安視する関係者もいたが、79年7月に発売されると、オリコンチャート2位のヒットとなった。

 松本氏は「『青年が旅立つための曲を』とお願いしたのを見事にかなえていただいた。『人の命には限りがあるが、力の限り旅を続ける』という情感がよく出ている。今でもこの曲が大好き」と話す。

 主人公・星野鉄郎の声を担当した声優の野沢雅子は「ゴダイゴさんと何回かイベントでご一緒したことがあって、私が『999はいいですよね』と話しかけると、『いいですよね。作品が好きだから、曲を作る時に音符がどんどん飛んできた』とおっしゃってました」と明かす。

 シネマ・コンサートの見どころのひとつは、この主題歌をタケカワが歌うエンディング。長い旅を終えた鉄郎とヒロインのメーテルの感傷的なラストシーンで、♪さあ行くんだ その顔をあげて 新しい風に 心を洗おう…というポジティブな歌が会場に響き渡る。

 野沢は「このシーンを見ると、今でも涙がこぼれると思います。私の中に鉄郎は今でも生きていて旅を続けています」と打ち明けた。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。

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