瀬古利彦氏 来年延期の東京五輪目指す選手たちへの思い「私の二の舞はさせたくたい」

[ 2020年5月13日 14:09 ]

日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー
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 日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(63)が13日、TBS「ひるおび!」(月~金曜前10・25)にリモート出演。来年に延期された東京五輪を目指す選手への思いを語った。

 瀬古氏は自身が金メダル候補として期待されたモスクワ五輪(1980年)を日本政府がボイコットにより参加できなかったというつらい経験がある。

 「ボイコットなんてあり得ない。チャンスはそうはない、獲れる時に獲らないとなかなか難しい」と自身の経験を踏まえ、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、東京五輪が来年に延期された現状に「(来年までに収束を)ここは絶対しないと選手かわいそう。二度と私の二の舞にはさせたくたい」と訴えた。

 この日は、瀬古氏とも親交がある、京都大iPS細胞研究所所長の山中伸弥氏(57)もリモート出演。瀬古氏は「先日、安倍首相とのお話で、(東京五輪は)来年は厳しいんじゃないかというお話を聞いてひっくり返ったんですけど、その辺はどうなんでしょう?」と山中氏に質問をぶつけた。

 この質問に、山中氏は「厳しいと言ったつもりはなくて、ワクチンができたらオリンピックはできると(いう考え)、ワクチンだけに頼るとかなり厳しいんじゃないか(言った)。ワクチンはいくつか実用化されると思う。ただオリンピックは世界中の選手も観客もものすごい数が移動されるわけですから、世界中の人にワクチンが供給されるのはかなり時間がかかる。ワクチンも重要ですが、治療薬。特に他の病気の薬を転用するということがどれぐらい進むかが重要になってくる。来年オリンピックができるかはかなり研究者にかかっているといいますか、今、オリンピックに向けて、スポーツ選手はこういう不便な中でも超人的な努力をされていると思いますが、それを同じぐらいの努力を治療薬、ワクチンの開発に当たっている研究者が行えば、オリンピックの可能性も見えてくると思う。私たちの頑張りが来年のオリンピックにつながる」と展望を示した。

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2020年5月13日のニュース