西山三段、女性初棋士ならず 星数でトップに並ぶも“前回順位”で涙

[ 2020年3月8日 05:30 ]

三段リーグ最終日の西山朋佳三段(日本将棋連盟提供)
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 将棋の棋士昇格を争う奨励会三段リーグは7日、東京都渋谷区の将棋会館で第66回の最終日を行い、女性初の四段昇段を狙った西山朋佳三段(24)は連勝して14勝4敗としたものの3位となり、昇格枠「2」に届かず次点となった。

 将棋界は四段以上が対局料を受け取れる「プロ」つまり「棋士」となる。その一段階下の三段(約30人)が半年ごとに18回戦を行い、上位2人が昇段する規定だ。今回12勝4敗の好成績で最終日の2局に臨んだ西山は星の上では服部慎一郎三段(20)谷合広紀三段(26)とトップに並んだが、前回順位(服部2位、谷合4位、西山21位)の差で惜しくも3位に終わった。

 女性を対象とした「女流棋士」と異なり、「棋士」には男女の区別がない。過去には1960年代に蛸島彰子(引退)が挑戦以来、中井広恵、矢内理絵子、そして里見香奈といったつわものが力尽きている。

 今リーグでの悲願達成には届かなかった西山だが、次点ですら女性初。4月に開幕する次回でのチャンスは残されており、年齢制限で退会となる26歳までに2度目の次点を獲得すれば、順位戦フリークラス所属の四段昇格権を得る。可能性を残す西山は日本将棋連盟を通じ「また頑張ります」のコメントを残して帰宅した。

 ◆西山 朋佳(にしやま・ともか)1995年(平7)6月27日生まれ、大阪府大阪狭山市出身の24歳。2010年、伊藤博文七段門下で奨励会入会。14年初段、15年三段。過去7回戦った三段リーグでの最高成績は11勝7敗だった。奨励会の資格で参加する女流棋士戦では3冠を保持している。慶大生だが、現在は休学中。囲碁棋士・西山静佳初段は姉。

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