渡辺王将、スイープ連覇だ!12日開幕・王将戦「自分が想像以上に状態いい」

[ 2020年1月5日 05:30 ]

12日開幕 第69期大阪王将杯王将戦7番勝負

カーリングを楽しむ渡辺王将
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 将棋の第69期大阪王将杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負が12日に開幕する。今回は連覇を狙う渡辺明王将(35)VS初挑戦の広瀬章人八段(32)という好カードが実現した。新春早々の熱血イベントとして定着した伝統の王将戦。令和初の戦いが華々しく始まろうとしている。

 決戦を控えた渡辺王将の年末は「盤上」ではなく「氷上」に集中していた。2年ほど前から興味を抱いたカーリングを楽しむため、長野県へ。棋士仲間や親しい関係者数人とレーンを借り切ってストーンを投じ、ブラシでスイープする姿は実にはつらつとしている。

 「スポーツの中では割と理詰めで、将棋で言えば先手、後手もある。先攻が不利なので、不利な時にどう我慢するかですね」
 昨夏は長期休暇を利用して北海道で開催されたジュニア大会を観戦したほどの本格派。「でも適当に投げている。やり直しありでやってます」と笑った。

 終始リラックスの王将だが、年が明ければもちろん将棋の本番モードだ。ほぼ同世代の広瀬は一昨年の竜王戦で永世7冠の羽生善治・現九段(49)からタイトルをもぎ取った実力者。昨年は冬の棋王戦5番勝負をはじめ、年末にはA級順位戦で対戦したばかりだ。「この1年、大きなところで当たる。これだけ局数を指すと、ある程度手の内が分かっている。特段王将戦に向けて対策を練るというのはないんですけど」と明かすものの、互いにオーソドックスな居飛車を軸足に置く似たもの同士。研究に研究を重ねて臨まなければ倒せない。なんらかの「準備」を終えているに違いない。

 前回の7番勝負。久保利明・現九段(44)に4連勝して以降、今期も29勝5敗(4日時点)と高勝率を維持している。「これだけ(好調が)続くのは、自分が想像以上に状態として凄くいいんでしょうね」。充実しきっている王者は盤上でも氷上同様のスイープを狙っている。 

 《直接対決は過去25局 渡辺の14勝11敗で勝ち越し》 両者の直接対決は過去25局あり、渡辺の14勝11敗。昨年は2~3月に行われた棋王戦(3勝1敗で渡辺防衛)以降、11月17日にJT杯決勝、12月25日にA級順位戦で立て続けに対戦し、いずれも渡辺が勝っている。9日には叡王戦本戦トーナメント3回戦での激突も決まっている。

 ◆渡辺 明(わたなべ・あきら)1984年(昭59)4月23日生まれ、東京都出身の35歳。2000年に四段昇段を果たし、史上4人目の中学生棋士に。04年に竜王の初タイトルを獲得以降、王将戦3期を含む23期の戴冠を誇る。現在は王将のほか棋王、棋聖も保持している。

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2020年1月5日のニュース