渡辺王将 就位式で令和への誓い新た「若手に立ちはだかる」

[ 2019年4月17日 05:30 ]

就位式でプレゼントされたACミランのユニホームを手にする渡辺王将(撮影・久冨木 修)
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 将棋のタイトル戦、第68期王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)で5期ぶり3期目の王将となった渡辺明王将(34=棋王との2冠)の就位式が16日、東京都文京区の東京ドームホテルで開催された。平成最後の王将は新元号「令和」の時代へ、自身の壁となってきた“羽生世代”のような存在になることを誓った。

 謝辞に立った渡辺は約200人の出席者を前に「懐かしさと充実感を感じながら対局できた。4連勝は出来過ぎた結果」と振り返った。ユニークなポーズや構図で知られる王将戦名物の記念撮影に触れ、主催社をイジる余裕も。奪取を決めた沖縄での第4局後、満面の笑みで三線(さんしん)を弾いたが「白いヘビでも出てくるかと覚悟していたので拍子抜けした。ファンの要求も上がっている。スポニチさんも課題として、来年どんな振りが来るのか待ちたい」と挑発し笑いを誘った。

 前王将の久保利明九段(43)からストレートの4連勝。ポイントに第2局を挙げ「後手番の急戦は流行を反映した形で、シリーズの流れがつかめたところはある。作戦面が当たった部分が大きい」。同時期に進行した棋王戦も防衛。公式戦勝率8割や順位戦A級復帰、自己新の公式戦15連勝と、18年度は前年の不振からの復活と進化を印象づけた。

 渡辺は昨夏から、江戸時代の将棋名人を題材にした漫画「宗桂~飛翔の譜~」(リイド社)の監修を担当。棋譜作りから時代考証、コラム執筆まで徹底して取り組み、棋士としての幅を広げている。めぐみ夫人が自身をモデルとした漫画「将棋の渡辺くん」を描くなど、漫画にはこだわりがあり「口を出し過ぎなのは自覚している。楽しんでやらせてもらっている」と笑う。

 平成を代表する棋士の羽生善治九段(48)が昨年、27年ぶりに無冠になった。渡辺は最年長タイトル保持者として令和を迎える。「平成は自分がタイトルへの階段を上がっていった。今度はどこまで守れるか、維持できるかになる」と覚悟を固めている。

 「藤井聡太七段をはじめ若い人が追ってくる中で、どれだけ踏ん張れるか。羽生世代が担ってきた、若手棋士に立ちはだかる役割を目指したい」。歴史からも学ぶ希代の勝負師が、いよいよ新しい時代に歩みを進める。

 ≪記念品のジャージーに「OHSHO」ネーム≫大ファンというプロサッカークラブ、ACミランとユベントス(ともにイタリア)のホームジャージーが記念品として贈呈された。背番号68に「OHSHO」のネーム入り。将棋を通じて親交があり、フットサル仲間でもある元サッカー日本代表の波戸康広氏は「王将はフットサルでもテクニカルなプレーが得意なんです」と紹介。5月26日のランニングイベント「山中湖ロードレース」(スポニチ主催)出場も発表され、王将は「(13・6キロを)1時間30分目標で走りたい」と意欲を見せた。

 ◆渡辺 明(わたなべ・あきら)1984年(昭59)4月23日生まれ、東京都出身の34歳。所司和晴七段門下。00年3月に四段昇段を決め、史上4人目の中学生棋士に。竜王と棋王の永世資格を持ち、タイトル獲得通算22期は歴代5位。

 ▼スポーツニッポン新聞社河野俊史社長 5年ほど前はタイトル保持者として最年少だった渡辺王将だが、今は最年長。台頭している若手に対する厚い壁として将棋界を一層盛り上げてほしい。

 ▼日本将棋連盟佐藤康光会長 王将は元々強い棋士だが、今回の番勝負では非常に強かったという印象を改めて持った。平成最後にして新しい工夫を見せ、特に第2局が非常に斬新だった。昨年度の勝率8割というのも凄いことだと思う。

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