角替和枝さんお別れの会 夫・柄本明 涙で愛の言葉「まだどこかにいるよう」

[ 2019年1月31日 05:30 ]

角替和枝さんお別れの会 あいさつする喪主の柄本明(左)。中央は長男の柄本佑、右は次男の柄本時生
Photo By 代表撮影

 昨年10月に原発不明がんのため亡くなった女優の角替和枝(つのがえ・かずえ)さん(享年64)のお別れの会が30日、東京・下北沢の北沢タウンホールで営まれた。夫で俳優の柄本明(70)があいさつし、角替さんが亡くなってから初めて公の場で口を開いた。

 角替さんは17年8月に柄本とともに受けた人間ドックでがんが発覚。その時、すでにステージ4だった。柄本は「家族全員で病気と闘ってきましたが、原発不明がんというのは厄介な病気でした。不条理な感じがしてなりません」と悔しさをにじませた。1976年に舞台共演をきっかけに出会い、81年に結婚。「一目ぼれでした。その人と一緒になれて、子供も3人できて。仕事以外ではずっと一緒にいましたから、そういう意味ではやり残したことはありません」と涙ながらに語った。

 結婚前からほぼ毎日、2人で喫茶店に行くのが日課で「劇団や芝居の話が多かった。多い時は2時間くらいいた」という。角替さんが亡くなった直後に、柄本が1人で行きつけの店を訪れるほど、思い出の場所だった。「だから今、和枝ちゃんと一緒に行った喫茶店に行けないんです。なんか思い出しちゃって」と悲しみから抜け出せない現状を吐露した。

 最愛の妻を失ってからの3カ月を「覚めない夢の中にいるよう。まだどこかにいるような感じがして」と振り返る。つらい思いは残るものの、「それでも芝居はあって、やっぱり芝居は好きなんです。悲しい、寂しい、不条理、そういったものを糧にして生きていくんだと思います」と締めくくった。

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