伊藤女流二段が初代早指し女王、里見4冠下す 攻め合い制した

[ 2019年1月3日 23:37 ]

 インターネットテレビ局AbemaTVが主催する将棋の非公式戦「AbemaTV女流トーナメント」の決勝3番勝負が3日に放送され、伊藤沙恵女流二段(25)が里見香奈女流4冠(26)に2勝1敗で勝ち、初代早指し女王に輝いた。

 この棋戦は8人の女流棋士が出場するトーナメント戦で、持ち時間が7分、1手指すごとに7秒が追加される「フィッシャールール」を採用する超早指し戦。決勝3番勝負はいずれも伊藤が居飛車、里見が振り飛車という対抗型になった。第1局を伊藤、第2局を里見が制して迎えた第3局は、伊藤が振り駒で先手番を獲得。中盤でほぼ時間を使い切って秒読みに追われた里見に対し、時間を残していた伊藤が終盤を優位に進め、激しい攻め合いをものにした。

 これまで公式戦の女流タイトル戦で、第一人者の里見に何度も苦杯をなめさせられている伊藤は「タイトル戦でいい結果が出ていなかったので、里見さんに勝って優勝できたのはうれしい」と喜びを語った。早指し戦の戦い方については「自分だけ時間を使う展開は嫌だった。相手よりも少し時間を残すことを意識した」と振り返った。

 昨夏に放送され男性の棋士が出場した早指し戦「第1回AbemaTVトーナメント」(持ち時間5分、1手ごとに5秒追加)では、藤井聡太七段(16)が佐々木勇気七段(24)を決勝で破り、初代王者となった。今春に第2回が開催される予定で、女流大会を制した伊藤にも出場権が与えられる。

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2019年1月3日のニュース