宇多田ヒカル 20周年記念日の涙「めったにこんなこと言わないんだけど…」

[ 2018年12月10日 05:32 ]

12年ぶりとなる国内ツアー最終日で熱唱する宇多田ヒカル
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 歌手の宇多田ヒカル(35)が9日、千葉・幕張メッセで12年ぶりの国内ツアー最終公演を行った。1998年12月9日にデビュー。この日はちょうど20周年の記念日で、1万4000人の前で全20曲を熱唱し、延べ14万人を動員した全6都市、12公演を完走した。

 これまでのヒット曲を新旧織り交ぜて披露。「traveling」のイントロでは「待たせてごめんね!」と客席に向けて手を合わせた。MCでは「デビュー20周年の記念日をこんなふうに過ごせて、誕生日とか、会の主役になるのは苦手なんだけど、これは素直に喜んでおきます」と感謝。会場のファンから約20秒の長い拍手が送られ、「冒頭から泣かせにこないで」と涙ぐんだ。

 20年分の思いがあふれたのは、アンコールで披露したデビュー曲「Automatic」だった。歌を披露した後「めったにこんなこと言わないんだけど、私を産んで育ててくれた両親に感謝したいです」と、13年に亡くなった母で歌手の藤圭子さん(享年62)、父で音楽プロデューサーの宇多田照實氏(70)に向けた言葉を述べた。「母は私が小さい頃から才能を信じてくれた。そうじゃなかったらこういう仕事をしていなかったと思う」としみじみ語った。

 15歳でデビューし、16歳の時に1枚目のアルバム「First Love」が国内で765万枚、海外を合わせると900万枚以上を売り上げ、日本歴代1位を記録するなど、鮮烈な印象を残した。その後もヒット曲を作り続けながらも、2度の結婚、離婚や、母親の自殺などプライベートでさまざまな浮き沈みを経験。10年から16年の間は“人間活動”を宣言して活動を休止した。

 紆余(うよ)曲折を経て戻ってきた日本のステージ。「もうライブができないかもって思ったこともあった。20周年をこんなふうに迎えられて幸せです」。12年ぶりのツアーで出会った14万人分の歓声を糧に、21年目も歌を届け続ける。

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