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福島を世界中から人が集まる場所に、ある果樹園の土への思い入れとは

 昨年末、「顔の見えなかった」生産者にようやく会うことができた。毎年、果物をインターネットで注文している福島市の果樹園「フルーツファームカトウ」の加藤修一さん。同市での「新商品のシードル(リンゴ酒)の試飲会」に参加すると、思った通りのエネルギッシュな男性が姿を現した。

 30年間、化学肥料を一切使わずに果樹園を営んできた同園を知ったのは、東日本大震災がきっかけだった。原発事故による放射線量問題に揺れる中、自家販売をあきらめ、自らの手で1年かけて果樹園の表土をすべて削ったことを知り、桃を注文するようになった。

 「父親の跡を継いで30年間、土にこだわり、最高の果物を目指してきた」と加藤さん。栽培しているのはサクランボ、桃、リンゴで、ブランド名は「吟壌(GINJO)」。お酒の吟醸の「醸」ではなく、土壌の「壌」を使っているところに、土に対する大きな思い入れを感じる。

 震災後、「果物の栽培だけでは何かあった際に困る」と感じ、思いついたのがシードルだった。紅玉やゴールデンデリシャス、フジなどリンゴの種類による味の違いは熟知しており「こんなふうに配合にしたら食事に合うお酒になる」と2014年に醸造を委託して試してみたところ、おいしいシードルに仕上がったという。

 ところが、事業化を目指した翌15年、生産委託した醸造所にシードル生産のスキルがなく、腐敗臭がする失敗作が出来上がった。あきらめずに再挑戦し、昨年ようやく満足できるものが出来上がったという。

 「イタリアの田舎に、キノコ料理だけを食べに世界中から人が集まる場所がある。うちもシードルや果物を飲食してもらえる場所をつくり、世界中から人が集まる場所にしたい」。お土産にもらったリンゴをかじりながら、加藤さんのたくましさを噛みしめた。

[ 2018年1月14日 10:00 ]

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