藤井四段 淡々と「実力まだまだ」 羽生二冠との対戦は「せっかく教えていただく機会なので」

[ 2018年1月14日 19:28 ]

朝日杯オープン戦本戦準々決勝で佐藤天彦名人を破り、観客の前で対局を振り返る藤井聡太四段(右)
Photo By 共同

 天才中学生は将棋界のトップ棋士を寄せ付けなかった。14日に名古屋市で開かれた朝日杯オープン戦の本戦準々決勝で、佐藤天彦名人(29)に勝った最年少プロ棋士の藤井聡太四段(15)は「幸運にも勝利できたが実力的にはまだまだ」と、淡々と口にした。地元初の公式戦公開対局での快挙を目の当たりにしたファンからは、大きな歓声が上がった。

 取材陣に「名人に勝てたのは自信になる。この経験を生かし、さらなる飛躍を目指したい」と藤井四段。佐藤名人も「他の棋士にはない個性を感じた」とたたえた。藤井四段が小学生時代に「名人をこす」と文集に書いたことを取材陣が指摘すると「すごいことを書いた」とはにかみながらも「超えたことにはならない」と表情を引き締めた。

 続く準決勝の相手は、国民栄誉賞の受賞が決まった第一人者の羽生善治二冠(47)。藤井四段は「せっかく教えていただく機会なので成長できるよう頑張る」と結んだ。

 約200席の会場は満員に。別室で師匠の杉本昌隆七段(49)が登壇した大盤解説会でも約400人のファンが熱い視線を送った。佐藤名人が投了すると、観客席から「おー」と声が上がり、拍手とともに「素晴らしい」との掛け声も飛んだ。

 名古屋市守山区の中学1年根本朱音さん(13)は「佐藤名人のため息が聞こえるなど緊張感があった。羽生さんにも勝ってほしい」と笑顔で話した。

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2018年1月14日のニュース