戦場カメラマン・渡部陽一氏 沢田教一さんの写真に感銘「一撮入魂」

[ 2017年8月16日 12:11 ]

「沢田教一展」開会式に出席した渡部陽一氏
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 戦場カメラマンの渡部陽一氏(44)が16日、東京・日本橋高島屋で開幕した「写真家沢田教一展―その視線の先に」(28日まで)の開会式にゲストとして出席し、トークショーを行った。

 沢田さんは1965年からベトナム戦争を取材し、同年9月に撮影した「安全への逃避」でピュリツァー賞などを獲得。70年にプノンペンで銃殺され34歳の若さでこの世を去ったキャリアにおいて発表された写真、愛用のカメラ、ヘルメットなど約180点が展示される。

 「沢田さんの本や写真集を見て、被写体に接近したところに身を置いていたことがよく分かった。それがカメラマンになる上での大きな原動力になった」という渡部氏。「当時はフィルムを担いで行って限られた枚数の中でシャッターを切り、しかもそのフィルムを持ち帰らなければいけなかった。“一撮入魂”の思いが強烈に伝わってきた」と感慨深げに話した。

 そして、沢田さんの功績について「世界史における記録を写真という形で残し、それが今につながっていることを感じることができる。今この瞬間も世界のどこかで戦闘が行われ、犠牲になるのはいつも子供たち。彼らが泣いている声を記録し、気づいていただくことが重要なんです」と自戒を込めて力説。沢田さんの妻・サタさん(92)も、「夫も満足していると思う。若い人たちに見ていただき、戦争はあってはならないことだと感じていただければ」と訴えていた。

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