藤井四段14歳ラスト公式戦白星締め 19日誕生日、次戦21日

[ 2017年7月12日 05:30 ]

加古川青流戦3回戦でベスト8に進出した藤井聡太四段
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 将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(14)は11日、大阪市の関西将棋会館で指された若手の棋戦、加古川青流戦の3回戦で都成竜馬四段(27)を130手で破りベスト8に進出した。来週19日に誕生日を迎える前の14歳最後の公式戦を、鮮やかな勝利で締めくくった。

 史上最年少でプロ棋士となり、前人未到の公式戦29連勝を達成。列島をフィーバーに巻き込み、14歳の中学生棋士を取り巻く環境はめまぐるしく変わった。そんな1年を象徴するかのように、激しく展開が変化する対局となった。

 直接対決でこれまで連敗し雪辱に燃える都成の攻めに、藤井の王が四段目まで誘い出される。その後自陣に必死で戻るも、守備駒がほとんどない「ノーガード」状態で、都成の放った銀に逃げ道を封じられた。「中盤は自信がなかった」と振り返った藤井だが、ここから真骨頂を見せる。攻めが緩んだ瞬間、相手の香車の前に歩を3連打。敵陣に隙をつくると、金や銀に守られた相手の囲いを瞬時に弱体化。最後は王で先の銀を取り込み、都成を投了に追い込んだ。

 14歳最後の一局だったことを問われると、思いを巡らせるようにしばし黙考。そして「1年前は(プロになる前の)三段リーグの真っ最中。周りの環境などを含め、いろいろ変わった。自分でも成長できた1年だった」と静かに振り返った。

 21日に上州YAMADAチャレンジ杯準々決勝で三枚堂達也四段(23)―梶浦宏孝四段(22)の勝者と戦う次回の対局は、15歳で迎える。「次の1年も、これまで以上に強くなれるようにしたい」。デビューから約7カ月で積み重ねた勝利は驚異の31。周囲の想像を超える序章を描いた藤井伝説は、新たな1年でどんな続きを見せてくれるのか。

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