桂歌丸 チューブを鼻に装着しながら熱演「酸素は金より大事」

[ 2017年2月26日 18:39 ]

 落語家の桂歌丸(80)が26日、大阪松竹座(大阪市中央区)で開かれた「3代目桂春団治一周忌追善落語会」(昼の部)に駆けつけ、酸素吸入のためのチューブを鼻に装着しながら「紙入れ」を熱演した。

 幕が開くと、すでに高座に鎮座する歌丸の姿。「本来、噺家は舞台袖から高座の座布団の上まで歩いて出てこないといけないが、一昨年と昨年に腸閉塞で入院。足の筋肉がまるでなくなってしまって、歩くのと正座するのがちょっと苦痛でございます」と説明した。「歩けなくはないが、(舞台袖から)ここまで歩くと40分くらいかかります」と苦笑い。医師からは「胃下垂だから腸閉塞になりやすい。太って下さい」と言われたといい、「太ったことのない人間だから無理。今までで最高の目方が40代のころの50キロ」と告白した。

 鼻のチューブについても言及。「これには涙ぐましい物語が…」と切り出した。昨年12月14日に突然の発熱で受診したところ肺炎と診断され、今年1月18日まで入院。「肺炎は治ったが呼吸器がまだ苦しい」と語り、「息が吸えないのはすげぇ苦しい。酸素吸入がないとダメなんですね。酸素は金より大事」と漏らした。

 だが、自身の病も笑いに変える芸人魂を発揮。入院で「肺炎(大変)な騒ぎになりました」と言った後、「これは私の言うシャレじゃない。“黄色いラーメン屋”の言うシャレです」と古巣番組「笑点」のダジャレ王・林家木久扇(79)の名を持ちだし、爆笑を誘った。

 同公演では昨年1月9日、心不全のため85歳で死去した故・桂春団治さんの一門が集結し、口上。筆頭弟子の桂福団治(76)は「半世紀以上、師匠に仕えたことにあらためて幸せを感じる。もう叱ってくれる人がいなくなった。これからは、あの世で師匠が“弟子たち、よう頑張ってるな”と喜んでくださるよう、一門が協力し合いながら芸道に精進する」と誓った。

 来春、4代目春団治を襲名することを2日に発表した桂春之輔(68)は「高校2年生のころ、師匠に電話で弟子にして欲しいと頼んだら、大真面目な声で“うちはうどん屋ちゃう。電話で注文は聞かん”と言われた」と回想し、笑わせた。

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