「真田丸」哀川翔 アニキキャラは又兵衛そのもの 現場のムードメーカー

[ 2016年11月5日 08:00 ]

大河ドラマ「真田丸」で後藤又兵衛を熱演する哀川翔(C)NHK

 俳優の哀川翔(55)がNHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)で「大阪五人衆」の“猛将”後藤又兵衛を熱演している。九州・黒田藩で黒田孝高(官兵衛)に仕えた豪傑な武将として知られる又兵衛。牢人衆の筆頭格として大坂城へ乗り込んだ直後は主人公・真田幸村(堺雅人)と対立するも、次第に理解し合い、やがて“盟友”と呼べる存在に。クライマックスの舞台となる「大阪の陣」で重要な役どころを担う哀川が撮影の裏側を語った。

 
 過去、同局大河ドラマへは「琉球の風」(1993年)「武蔵 MUSASHI」(2003年)に出演。3度目となった今回の演技については「準備期間がすごく良かった感じがします」と役作りの段階から好感触を得ていたことを明かす。

 自身が出演するシーンの撮影が始まる前、又兵衛出生の地とされる・兵庫県姫路市や、又兵衛が城主を務めた福岡県・大隈城跡を訪問。ゆかりの地の人々に又兵衛が愛されていることを肌身に感じた。「行った先で又兵衛の愛され方が半端じゃない。地元の人が又兵衛のことを知り合いみたいに話すんですよ。『あのさ、きのうさ、隣の家のおじちゃんがね…』みたいな感じで。驚きましたね」と振り返る。

 熱烈な“又兵衛愛”に触れたことは役へのアプローチに大いに役立った。「地元の人たちが又兵衛像を自分にぶつけてくれるので、そこで一つの人物像が出来上がるんですよ。それを今回の台本と照らし合わせるんです。そうすることで又兵衛の人物像を描くことができました」

 撮影現場では、水飲み場にいたクワガタを捕まえるなど“昆虫好き”としての一面も発揮。自身で羽化させたカブトムシの幼虫を共演者らにプレゼントするなど、面倒見の良い“アニキ”として現場を盛り上げた。

 哀川について「今の現場で一番のムードメーカーかもしれないですね」と語るのは制作統括の屋敷陽太郎チーフプロデューサー。「共演者みんなと仲良くされています。芸能人の方以外とも仲良くされているみたいで、この間はリハーサルの帰りにNHKの清掃員の方と『哀川さん!』『おう!』みたいな感じで話をしていました。釣りかゴルフの仲間だったみたいです。あの“人との距離感”の近さはすごいですよ」と証言する。

 「哀川さんの性格は又兵衛に生かされていると思います。最初は怖い印象を持つんですが、親しくなってみたら『なんだ、良い人じゃないか』という具合に」と哀川のキャラクターは又兵衛役に“適任”だと説明。「又兵衛は最初、幸村にとって対立軸となる人物です。幸村が脅威や迫力を感じるためには、やはり“アニキ”っぽい人をと我々は考えていました」とキャスティングの裏側を明かす。

 第43話「軍議」(10月30日放送)で大坂城へ入った理由を「死ぬために来た」と語った又兵衛。しかし、哀川はこのセリフをそのままの意味では捉えていない。

 「口では死に場所と言ってますが、決して本心ではないと思います。『死ぬ思いで戦わないと、この戦(いくさ)は勝てない』という意味のような気がしますね。オレはそう解釈しています。『死ぬ思いでやる』と言われるよりも『俺は死にに来たんだ!』と言われる方が説得力がありますよね。それに、本当に死に場所を探しに来ただけなら、あれだけ食ってかからない。死にたいなら、言われたまま戦場に行けばいいんだから」

 それぞれが異なる理由で大坂城へ集った五人衆。哀川は「違う方向を見ている5人ですが、『とにかく、この戦に勝つ』と最後まで信じ切った5人です。ハッパをかけ合い、刺激し合って、戦に向かっていくと思います。バラバラだった五人衆が集結して、大坂城が一つにまとまっていくのはおもしろいですよ」と今後の見どころを熱く語った。

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