石原さとみ「強い女性」に開眼したNY「初めて選択する喜び知った」

[ 2016年10月4日 11:15 ]

インタビューに答える石原さとみ
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 皆さん、夢中になっているものはありますか。何かに夢中になるのも、誰かが自分に夢中になってくれるのも、それは幸せなこと。「夢中こそ人生最強のモチベーション」というテーマで、多くの人々を夢中にさせる芸能人の核心に迫るインタビュー「夢中論」がスタート。第1回は男女問わず首ったけの女優、石原さとみ(29)の登場です。

 世の人を夢中にさせる厚めのセクシーな唇。男性から「一番チューしたい」と人気を集め、女性からは「最も憧れる顔」と支持されているが、意外にも彼女自身が自分らしさのポイントと捉えているのは、唇よりもっと軟らかい“耳たぶ”だ。

 「ビッグイヤリングが大好きなんですよ。昔から“可愛い!”と思ったら何でもすぐに買っちゃう方なんですが、イヤリングは個性的なアンティークものが中心。3年ぐらい前から集めるようになって、今では家の中にいっぱいビッグイヤリングがあるんです。全然値段は高くなくて、2000~3000円くらい。でも、たった一つしかないものなので“出合えた!”という気持ちになります」

 海外など旅先でもグルメ店を探すより、まずは雑貨店でイヤリング探し。普段も、朝出掛ける時は鏡で頭から爪先までチェックして、最後はやっぱり耳元。「うん、いい感じ♪」。みんなに愛される石原の笑顔の一日はこれで始まるのだ。

 常にモチベーションを高く保っているが、デビュー当時からあったわけではない。その頃、くぎ付けになって見ていたドラマは派遣社員をテーマにした「ハケンの品格」や広告業界を描いた「サプリ」。男性社会の中で自分を貫いて生きている“強い女性”が主役だった。だが、その場所は当時の石原には遠い存在だった。

 「15歳でデビューしたので世間のことをあまり知らなかった。まずはこんな職業があるんだ、と感心したんです。派遣社員はドラマで初めて知ったくらい。男性たちにズケズケ言うのがカッコ良くて、ああなりたいし、あんな役をいつかやってみたかった」

 強くて自立した女性に憧れつつ、自分はというと「周囲の人たちが0を全部1にしてくれる」女優生活だった。そんな石原を劇的に変えたのが1カ月のオフをもらって向かった米ニューヨーク旅行だ。自分のことを知らない人がたくさんいて、友達ができて、行きたい所もやりたいことも全部自分で決める生活。そこで何かをつかんだ。

 「選択する喜びを知ったのは初めてだったので、凄く自分が成長した気がしたんです。そのタイミングで“リッチマン、プアウーマン”というドラマの話が来た。これまで演じる役は全部マネジャーが決めていたんですが、初めて役を受けるかどうか相談された。“やりたい!”と即答しました。自分で決めるということは責任も生まれるけど、ニューヨークの経験が後押ししてくれた」。IT企業社長と恋愛に発展する女子大生の物語。今までにない手応えを感じ、忘れられない一作となった。

 実はそれまでメモ魔だった。どこか自信が持てず、一日の仕事が終わると、ノートにその日言われたアドバイスを書き留めていた。「メモが何かに役立ったことはあまりない。きっと不安だから書いていたんでしょう。それを書かなくなりましたね」。もうノートは必要なくなっていた。

 石原が強い女性に「夢中」になっていると聞くと、“傾倒”しているように思われるかもしれないが、もはやそうではない。石原は強い女性に“開眼”したのである。

 ライフワークがある。昨年公開の出演映画「風に立つライオン」の舞台となったアフリカで現地の人と触れ合うこと。貧困、疫病、内戦など死と隣り合わせで生活しているアフリカの若者たちは、日本人以上に人生をおう歌し、生命を輝かせているように見える。

 「時々ボランティアですか?と聞かれるんですが、井戸を一緒に掘ったり、生活の向上のためみんなと共同作業をすることはあっても、アフリカへ行くのは友達と会いに行く感覚に近いかも」

 過去に石原が訪れたウガンダやケニアの村に行くには覚悟も必要だ。衛生的とは決して言えないし、疫病にかかったり、暴力に巻き込まれる可能性もゼロではない。それでも「彼らと会うと刺激をもらえる。すでに来年はどこに行こうか考えています」。屈託のない笑顔からは、たくましさすら感じる。

 米映画サイトが選んだ「世界で最も美しい100人」では日本人トップの19位に選ばれた。可愛いだけじゃなく強くてイイ女。いまの石原は、そこにある。

 ◆石原 さとみ(いしはら・さとみ)1986年(昭61)12月24日、東京都生まれの29歳。02年にホリプロスカウトキャラバンでグランプリを受賞。14年から2年連続で雑誌の表紙起用1位となる。

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