松雪泰子1人2役初挑戦 百恵さん引退作品「古都」3度目映画化

[ 2016年6月15日 05:30 ]

映画「古都」で2役に挑戦。呉服店の千重子を演じた松雪泰子

 女優の松雪泰子(43)が、主演映画「古都」で1人2役に初挑戦した。

 川端康成の小説が原作で、生き別れた双子の姉妹の物語。1963年に岩下志麻(75)、80年に山口百恵さん(57)が主演し、映画化は3度目。63年版は米アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、80年版は百恵さんの引退記念作品となり、いずれも話題になった名作。今回は、原作では描かれなかった大人になった姉妹の姿を描く。

 京都が舞台で、老舗の呉服店を継いだ姉・千重子と、伝統の北山杉の里で林業を営む双子の妹・苗子が主人公。伝統の継承に生涯をささげる一方で、自身の娘たちにもそれを強いることなどに?藤。苦悩する娘たちを通じ、2組の母娘の人生模様を描き出す。

 京都府と京都市が初めて映画を後援し、昨年11月に京都で撮影。茶道の裏千家今日庵から国宝級の道具を借り、劇中で着用した着物や帯は総額2000万円を超えるなど“本物”を追求した。

 松雪はクランクイン前に1カ月間、着付けや茶道、京言葉などを稽古。呉服店の場面は実際の町家で撮影し、「代々受け継がれる伝統を感じながらの撮影でした。重みを背負って生きる千重子の生きざまを感じることができました」と手応え十分。苗子がパリに留学した娘に会うため現地を訪れる場面もあり、「伝統を大切にする街並みは、どこか京都とのつながりを感じながらの撮影でした」と振り返った。

 メガホンは、ハリウッドで映画製作を学んだYuki Saito監督(36)。11月26日に京都で先行公開、12月3日に全国で公開される。

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