「ゲゲゲの女房」も涙 松下奈緒「大好きなお父ちゃんが…」

[ 2015年12月1日 05:30 ]

10年のNHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」で主演を務めた松下奈緒と向井理

 日本を代表する漫画家として、数多くの作品を残した水木しげるさん。訃報を受け、ゆかりのあった各界の著名人から追悼の声が上がった。水木さん夫妻をモデルにしたNHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」(2010年)で夫妻役を演じた向井理(33)と松下奈緒(30)も悲しみのコメントを寄せた。

 向井は撮影に入る直前に水木さん本人と初対面。「その時に掛けていただいた言葉や表情は、今でも鮮明に覚えています」と振り返った。「もうあの時のようにお会いすることができないという現実を受け止めるのには時間がかかりそうですが、どこかで見守っていただければうれしい限りです」と追悼。「“女房”である布枝(ぬのえ)さんにもお会いできたのは私の財産です。お二人の醸し出す雰囲気が大好きでした。憧れでした」と思いをつづった。

 松下は水木さん夫妻と初めて会った時、水木さんから「まあ気楽にやってください」と優しく声を掛けられた。その隣で布枝さんが何度も「ね、お父ちゃん」と夫を気遣いながらほほ笑んでいる姿を見て「本当になんて素敵な夫婦なんだろうと思ったことを今でも覚えてます」と振り返った。そして「こんなに素敵なご夫婦を演じさせていただけたことはこれからも私の宝物です。まさか大好きなお父ちゃんが…当時を思い出すと涙があふれてきます」と天国の水木さんに思いをはせた。

 「ゲゲゲの女房」は水木さんの妻、武良(むら)布枝さんによる自伝を原案にドラマ化された。

 2人は見合いで出会い、わずか5日後に結婚。水木さんの下積み時代は収入も少なく、質屋通いは日常茶飯事。腐りかけのバナナを安く買って飢えをしのぎ、長女のミルク代にも事欠いた。税務署員に「この収入で家族が暮らしていけるはずがない」と疑われたこともあった。

 そんな中でも、水木さんはひたすら仕事に打ち込んだ。ドラマでは、一心不乱に漫画を描き続ける姿に布枝さんが圧倒され「一生懸命生きていれば来るべき時が必ず来る」と信じる姿が描かれた。結婚から半世紀以上。夫唱婦随で夢をつかんだ「昭和の家族像」がそこにはあった。

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