女優貫いた川島なお美さんに最後のカーテンコール…1500人拍手で別れ

[ 2015年10月2日 14:24 ]

出棺のあいさつをする鎧塚俊彦氏

 胆管がんのため先月24日に54歳で亡くなった女優の川島なお美(本名鎧塚なお美)さんの葬儀・告別式が2日、東京・港区の青山葬儀所でしめやかに営まれ、俳優仲間や関係者、ファンを含め約1500人が最後の別れを告げた。

 「最後のお願いがあります。女房は、お客さまの拍手をいただけることを何よりの喜びとしていました。それが生きがいだったといっても過言ではありません。最後は大きな拍手で、女房を送ってやっていただきたい。アンコールはございません。割れんばかりの拍手を送ってやってください」

 喪主を務めた夫の鎧塚俊彦氏(49)が、出棺の際のあいさつで涙をこらえながら訴えると、弔問客から拍手が起き始めた。その音は次第に大きくなり、ファンからは「なお美ちゃん、ありがとう」、「ゆっくり休んでね」の声援も。女優を貫き通した川島さんの、人生最後のカーテンコールとなった。

 鎧塚氏は、焼香の前にも弔問客に対し「女房は自分にできた腫瘍(しゅよう)でさえも、“戒めくん”と呼んで、前向きに考えておりました」と語り、昨年1月の手術を受ける前日に川島さん書いたメモがあったことを告白。「女優としてもっと可能性を広げ、映画、舞台、テレビドラマ、CM、ラジオ、もっともっと川島なお美を進化、熟成させる。そのための今後の人生の糧になる試練を与えてくださった神さま、戒めくん、ありがとう。私はまだ生きます」。気丈に読み上げた鎧塚氏は、「女房は、他界したくらいでへこたれる女性ではありません。皆も元気出してと言っているような気もします」と語った。

 担当の医師からは「舞台が彼女の寿命を縮めたのではない。舞台があったからあそこまで生きられた。それは奇跡だ」と言われたという。その最後となった舞台「パルレ~洗濯物~」で川島さんが歌った一節「洗濯物が風に身を任せるように、人生も任せよう。時が過ぎ、洗濯物が乾くように、涙だって乾くはずさ。さあ、頑張ろう」を引用し、「皆さんが女房との楽しい思い出を胸に、頑張ろうと歩んでいかれることを期待します」と話した。

 遺影を撮影した漫画家のさかもと未明さん(49)は、「友人として、なお美さんの女優としての最後の花道を飾れるのは光栄。心を込めて仕上げました」と涙。自身も6年前に膠原(こうげん)病を患い、川島さんからよく励まされていたそうで「本当に優しくしていただいて、ありがとう。彼女の頑張りを心にとめて、自分も頑張ろうと思う」と悼んだ。

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2015年10月2日のニュース