なお美さん 死の直前の舞台「奇跡」肝臓機能せず、腹水5リットル

[ 2015年10月2日 11:41 ]

川島なお美さんの遺影が飾られた祭壇には、川島さんの愛したワインなどが飾られた

 9月24日に胆管がんのため54歳の若さで亡くなった女優の川島なお美(かわしま・なおみ、本名鎧塚なお美=よろいづか・なおみ)さんの葬儀・告別式が2日、東京都港区の青山葬儀所で営まれ、喪主を務めた夫でパティシエの鎧塚俊彦氏(49)があいさつした。川島さんは9月17日、ミュージカル「パルレ~洗濯~」を降板。前日16日まで舞台に立っていた。鎧塚氏は、川島さんの最期は肝臓が全く機能せず、腹水が5リットルたまった状態だったことを明かし、医師からは「あんな体で(舞台を)やるのは奇跡」と言われたという。「そこまで行くと、僕たちは止めることはできませんでした」と涙ながらに語った。

 鎧塚氏は、医師からうれしい言葉をもらったと紹介。「舞台が奥さまの寿命を縮めたんでは、決してないよ。舞台があったからこそ、奥さまはあそこまで生きられたのですよ」と言われたという。

 続けて、遺作「パルレ」で、川島さんが大好きだった歌詞を読み上げた。

 「洗濯物が風に身を任せるように、人生だって任せよう。時が過ぎ、洗濯物が乾くように、涙だって乾くさ。さあ頑張ろう」

 「皆さんがこの会場を出られたら、女房の楽しい思い出をいっぱい胸に、元気を出して頑張ろうと、歩んでいただけることを期待したいと思います」と弔問客に呼び掛けた。

 川島さんは青山学院大学在学中に芸能界にデビュー。82年、日本テレビ「お笑いマンガ道場」でレギュラーを務めた。97年の日本テレビの主演ドラマ「失楽園」は濃厚なラブシーンが話題となった。

 13年夏に肝臓の腫瘍が見つかり、14年1月に胆管がん手術。仕事復帰し術後の経過は良好に見えたが、15年9月7日のイベントではやせ細っていて体調が心配されていた。わずか10日後にはミュージカル「パルレ」、20日には「クリスマス・キャロル」を降板。代役が決まった際には「完璧に元気になって女優に復帰できるよう当面は治療に専念させていただくことになりました」とコメントを出すなど復帰を目指していたが、叶わなかった。

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2015年10月2日のニュース