日本人4人に最優秀女優賞 ロカルノ国際映画祭

[ 2015年8月15日 23:37 ]

最優秀女優賞に選ばれた「ハッピーアワー」の川村りら、 三原麻衣子、菊池葉月、田中幸恵(左から)=AP

 スイス南部の保養地ロカルノで5日から開催されていた第68回ロカルノ国際映画祭は最終日の15日、浜口竜介監督(36)の作品「ハッピーアワー」に出演した4人の日本人女性を最優秀女優賞に選んだ。日本人の同賞受賞は初めて。4人は演技経験がなく、映画は今回が初出演という。

 受賞者の田中幸恵さん(41)=神戸市=は「本当に信じられない」と驚いた様子で話した。菊池葉月さん(37)=兵庫県加古川市=は「ただ驚くしかない」と神妙に語った。

 三原麻衣子さん(41)=同県姫路市=は「監督をはじめ、みんなで取った賞だと考えれば光栄です」と真面目な表情。川村りらさん(39)=京都市=は「今何が起きているか分かっていない状況です」と笑顔で話した。

 作品は神戸が舞台で、上映時間5時間以上の大作。離婚や夫婦の不仲などに直面する4人の仲の良い女性の生活を通し「自分は本当になりたかった自分なのか」を問い掛ける。日本では12月に全国で順次公開が予定されている。

 浜口監督は川崎市出身で、現在は神戸市を拠点に活動している。東日本大震災後には、映画監督の酒井耕さんと東北地方で記録映画も製作した。

 ロカルノ映画祭はカンヌ、ベネチア、ベルリンの世界三大映画祭に次ぐ映画祭とされる。若手監督の登竜門とも言われる。2007年には小林政広監督の「愛の予感」が金ヒョウ賞を受賞した。

 ロカルノ映画祭では09年、日本アニメの高畑勲監督に名誉ヒョウ賞が贈られた。(共同)

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