各局夏の満足度1位バラエティー、意外な結果 日曜トリオの牙城崩すマツコ

[ 2015年8月12日 11:35 ]

バラエティで人気のマツコ・デラックス

 ドラマで簡単に視聴率の数字がとれなくなった昨今、各局ともバラエティーで数字を稼ぐ傾向が強まっている。視聴率も大切だが、視聴者にどれだけ支持されているかというのも、番組の寿命を占う意味で大切な指標だ。テレビ各局の支持率が高いバラエティー番組を追うと、意外な結果が出た。

 バラエティーにも進境著しいNHKの満足度1位は内村光良のコント番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」で4・17(7月9日、30日、数字はデータニュース社「テレビウォッチャー」調べ、5段階評価、7月の満足度から集計)。現在まで3シーズン続いており、同局の人気番組「ブラタモリ」を超える支持率を誇る。

 高視聴率バラエティーをいくつも持つ日本テレビだが、満足度が一番高いのが日曜放映の「ザ!鉄腕!DASH!!」「世界の果てまでイッテQ!」「行列のできる法律相談所」のトリオではなく、「月曜から夜ふかし」(13日)で4・12。深夜帯ながら10%以上の高視聴率を獲得する人気番組だが、満足度もかなり高い。7月で最も満足度が高かったこの日の放送は、司会の村上信五とマツコ・デラックスが、新スタッフのキャラが“ジャイアン”に似ているといじり爆笑を呼んだ回だった。

 「しくじり先生」や「ぶっちゃけ寺」など、新バラエティーが好調のテレビ朝日では「アメトーーク!」(2日)で4・07。企画によって満足度が大きく上下する「アメトーーク!」だが、この回はビビり芸人を集めてプチドッキリを仕掛けるという「ビビり―1グランプリ」を放送。今年に入って最も満足度の高い企画となった。

 「マツコの知らない世界」が好調のTBSでは「A-Studio」(3日)で4・28。成宮寛貴がゲストで、中学生の頃から弟二人で生活を支えてきたという苦労話を聞き手の笑福亭鶴瓶がうまく引き出し、感動を呼んだ。

 「Youは何しに日本へ?」など、独自のバラエティーでわが道をゆくテレビ東京では「世界ナゼそこに?日本人」で4・07。テレ東が得意とするユルいバラエティーではなく、意外にも社会派感動系が好評を博した。

 7月は「27時間テレビ」で盛り上がったフジテレビは「アウト×デラックス」(30日)で4・16。「アウト×デラックス」も登場ゲストによって大きく満足度が上下する番組。この日は今話題の俳優・木下ほうかの意外すぎる一面や、元マフィアのボスが登場するなど、いつも以上に“アウト”だった回。前週3・36から急上昇し、今年最高の高満足度を獲得した。

 「月曜から夜ふかし」「アウト×デラックス」とマツコが司会の番組が2本あり、依然としてマツコの人気が高いことがわかる。「アメトーーク!」「アウト×デラックス」と企画によって満足度が乱高下する番組は、視聴者に受け入れられているのかどうか、判定が難しくもある。おそらく、どっかで見たような番組では視聴率も取れなければ、支持も得られない。作り手がいかに怖がらず、それでいて共感を得られるか。相反するように見える2つの要素がうまく絡み合った時に、番組が光を放つのだろう。

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2015年8月12日のニュース