ドローン“魅力的なオモチャ”と“危険な道具”で悩む線引き

[ 2015年7月12日 10:28 ]

手のひらに乗りそうな「京商」のドローン

 東京ビッグサイト(東京都江東区)で6月に行われた、国内最大級の玩具見本市「東京おもちゃショー」を取材した。

 一般公開を前に、業界関係者や報道陣用に設けられた2日間の「商談見本市」。発売35周年の機動戦士ガンダムのプラモデル、通称「ガンプラ」や、映画「スターウォーズ」などキャラもののほか、ラーメンを作れる玩具?など魅力的な製品が目白押し。普段は、事件や政治ネタを追う社会班の記者も、ついつい“おっきいお友だち”に戻っていた。

 そんな記者が一瞬、社会班目線を取り戻すオモチャがあった。小型無人機「ドローン」だ。官邸に放射性物質を積んで飛ばしたり、長野・善光寺の御開帳の進行を妨たげたり…と、ドローンを悪用した事件が立て続けに起きたことで、ネガティブなイメージがついてしまった。

 今回の「おもちゃショー」には「京商」「童友社」など4社が、大小さまざまなドローンを出品。一般的な50センチ程度のサイズから、手のひらに収まる極小サイズまで。

 メチャクチャ可能性を秘めたオモチャだ。“飛ばす”という行為自体が魅力的な上、身近な景色を鳥のように空から見下ろす映像は、素直に「撮ってみたい」と思う。手のひらサイズは5000円程度と、価格もお手頃だった。

 一方で、盗撮などプライバシーの侵害や、遠隔操作で他人に危害を加えることもできるのでは?との不安が広がっている。“魅力的なオモチャ”と“犯罪に使える危険な道具”との境界線はどこにあるのか。

 免許制の導入や、飛行禁止区域の設定など、法規制の必要性が叫ばれている。だが気楽に遊べてこそ、オモチャだ。メーカーは、ドローンをオモチャとして楽しむため、この線引きに苦労している。

 あるメーカーの担当者に聞いた。業界では、ドローンが危険なのは、(1)落下して人や構造物に損傷を与える(2)操縦者の存在を感じさせない遠距離から他人に何らかの危害を与える…と分析している。

 (1)の対策は、柔らかく、軽量な素材を使えば難しいことではない。

 (2)については、GPSやライブカメラを搭載しないものを「トイドローン」「ホビードローン」などと呼び、映像撮影などを目的とした業務用の「プロフェッショナルドローン」との差別化を図っている。

 画像や動画は機体に内蔵したSDカードに録画し、後からパソコンなどにつなげて楽しむ。これなら操縦者の見える範囲しか飛ばせない。つまり、機体の近くには操縦者がいる。盗撮や危険物の投下など、犯罪行為の危険性は減らせそうだ。ただ、完全ではない。物陰に身を隠して操縦することもできるだろう。

 担当者は「面白いオモチャだからこそ、我々が今頑張らなくてはならない。行政、ユーザーと一体となりルール作りを進めていきたい」と話した。メーカーは何とか危険と魅力を切り離し、楽しいオモチャを作ってほしいと思う。

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