滝川クリステルの動物愛 コスタリカで受けたおもてなしとは

[ 2015年7月12日 12:40 ]

愛犬・アリスと仲むつまじい滝川クリステル

 「お・も・て・な・し」で2020年の東京五輪開催を呼び込む立役者となった滝川クリステル(37)。人気キャスターとしての顔のほか、動物保護や生物多様性保全を目的とした一般財団法人の代表を務めている。19日にTBS系で放送される「感動!レジェンド動物園2」(後4・00、RKB毎日放送制作)ではその動物愛と素顔をたっぷり見せる。

 柔らかく、優しさがあふれてくるような笑顔だ。滝川が動物と接する時の表情からは、大きな深い愛が伝わってくる。

 今回の番組の取材では、「中南米の楽園」といわれるコスタリカを訪れた。「普段の生活ではなかなか合えない生き物たちに出合えました。その時の感情は、“感動”という言葉でしか表現できません。五感の全てで感じる豊かな感動です。人間の表情をつくってくれるのが彼らの存在なんです」

 笑顔の理由を語った。

 昨年5月、一般財団法人「クリステル・ヴィ・アンサンブル」を設立。「(東京五輪が開催される)2020年を目標に、犬猫の殺処分、放棄、虐待行為ゼロを目指す」などを主な活動に掲げている。

 環境問題や動物愛護をライフワークとする原点は、幼少時代にあった。

 「小さい頃から家庭内で動物に囲まれていました。犬、鳥、金魚、亀…。フランスで暮らしていた時は自然の中に住んでいて、周りで馬、牛、ウサギが自由に動き回る環境が心地よかった。私自身、自然と動物と人間が寄り添っているイメージが強いんです」

 魅力的なルックスと語り口で視聴者の人気を集めるキャスター。13年9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会では、フランス語による「お・も・て・な・し」のスピーチで世界に日本の魅力を発信した。番組の出演依頼も多数寄せられるが、「感動!レジェンド動物園2」は、まさに相思相愛の企画だった。

 「まずタイトルでコスタリカを“動物園”と表現しているのが粋で素敵だと思いました。観光立国、エコツーリズムで有名なコスタリカには一度行ってみたいとも思っていたんです」

 取材に行った標高3000メートルの高地では伝説の鳥「ケツァール」を見ることもできた。頭から背にかけての毛が濃い緑、腹部が赤。世界で一番美しい鳥ともいわれ、手塚治虫の漫画「火の鳥」のモデルの一つともいわれる。そして、「見た者に永遠の幸せをもたらす」という言い伝えもある。

 「うちのメークさんは“私も見たからこれで一生(幸せは)大丈夫”と言ってます。合えないものに合えるというのは何物にも替え難いうれしさがあります。あの時、つがいで見られたので、幸せが倍増するかもしれませんね」

 こちらに幸せを運んでくれそうな、ほほ笑みで語った。

 満たされているように見える滝川だが、番組では意外な告白も。コスタリカの食べ物を前に「食リポ、苦手なんです」と苦笑い。「例えば“口の中で香ばしさが広がる”と言っても、それは何度も聞いたような言葉じゃないですか。人と違うことを言おうと思うと気負ってしまうんです。これからは、食べている表情だけで味を読み取っていただく“食・顔リポ”が主流になりませんかね…!?」と身を乗り出してきた。料理を手伝う場面では、大きな野菜を包丁で切るのに悪戦苦闘。「それも映ってます?あの家の人にはあきれられましたけど、あれは本当に切りづらかったんです。ふだん料理が苦手なわけではありませんよぉ」

 自然を愛する姿勢そのままに、飾らずに話を進めるのも、滝川の魅力の一つになっている。

 最後に聞いてみた。動物や自然に対する愛情は十分に感じているが、人間への興味はどうなっているのか、と。

 「それはもちろんありますよ。人が嫌いということはないので、心配なさらないでください」。愉快そうに軽やかに笑った。

 その横で、福島第1原発の事故で飼い主が避難を余儀なくされ、滝川が引き取った愛犬アリス(メス・7歳)が焼きもちを焼いたかのように吠えていた。

 ◆滝川クリステル 1977年10月1日、フランス生まれ。青山学院大学文学部卒業後、00年に共同テレビに入社してフジテレビへ出向。「ニュースJAPAN」などの報道番組のキャスターとして活躍。08年にフリーアナウンサーとなった。NHK BS1の討論番組「グローバルディベートWISDOM」などに出演中。2013年、フランス芸術文化勲章シュバリエを受章。

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