中村橋之助 幸四郎の手ほどき受け「念願だった」河内山に挑戦

[ 2015年5月18日 14:41 ]

「松竹大歌舞伎」の製作発表に登場した中村橋之助

 歌舞伎俳優の中村橋之助(49)が、全国公立文化施設協会主催の巡業公演「松竹大歌舞伎」(中央コース、6月30日~7月31日)で、初役の「天衣紛上野初花 河内山(くもにまごううえののはつはな こうちやま)」に挑むことになり18日、都内のホテルでの製作発表に臨んだ。

 河竹黙阿弥作の世話物の人気狂言。橋之助は「お客さまだけでなく役者にも人気で、立役なら誰でも1度はやってみたい役。僕も小学校の帰り道に年がら年中、セリフを口ずさんでいたくらい。念願の河内山です」と感慨深げだ。

 既に松本幸四郎(72)から手ほどきを受け始めており、「幸四郎のお兄さまとは6月の歌舞伎座でもご一緒するので、細かく教えていただこうと思う」と意欲。父の中村芝翫さんが2011年に亡くなって以降、幸四郎が常に目をかけてくれたそうで「仮免なしで路上に出ちゃうような状況の中、幸四郎のお兄さまは僕たち家族のことを気にかけてくださり、面倒をよく見てもらった。それが歌舞伎の伝統、素晴らしいところだとあらためて感じました」と感謝した。

 全国23都市41公演の巡業では、おいの中村児太郎(21)が「藤娘」、長男の中村国生(19)が「芝翫奴」と、祖父の芝翫さんから直接指導を受けた舞踊を披露。橋之助は座頭として「父も大事にしていて、自ら体を動かして教えた最後くらいの踊り。2人の心の中にも父がいてくれると思う。僕も若手よりちょっと年をとったかなというくらいなので、歌舞伎を伝えていくのも大事になってきた。責任をかみしめながら、いろいろなことを考えて役づくりにつなげていきたい」と決意をにじませていた。

続きを表示

この記事のフォト

2015年5月18日のニュース